本校では、卒業直前にすべての生徒が本校での学びを振り返り、作文を書いています。それをまとめて、教職員からのメッセージも載せ、卒業文集として卒業生に配付しています。
今年度の卒業生38人も、それぞれの思いを作文にしました。一人ひとりの思いの詰まった作文で、読んでいて胸が熱くなりました。すべてが素晴らしい作文ですが、ほんの一部を紹介します。
「長い間学校から遠ざかり社会に出て働き、そして子育ても終わり、定年後やっと自分の時間を作り、目標だった桃谷高校Ⅲ部に入学できたときには本当にうれしかったです。」
「私は読み書きができず、不安と恥ずかしさにとまどいながら高校の門をくぐりました。素敵な先生方に支えられ、学ぶ喜び、勉強ができる幸せ、若い時にできなかったいろいろな経験をしながら、頑張って覚えてもすぐに忘れてしまう繰り返し。学校はわからない私に教えてくれた大切な学びの場所。行くたびに新しい期待感を持たせてくれました。」
「3月に妊娠がわかり、ただでさえ半年卒業が伸びているのにまた伸びるんちゃうかと焦りました。周りからも早く卒業しろと言われ、自分でも絶対秋で卒業すると決めていたので、意地でも頑張りました。これで気兼ねなく、出産育児に専念できます。」
「担任には正直あまりいい印象を持っていませんでした。・・・担任への反抗期みたいな時期もありました。でも、私の家で様々めんどうなことが増え、担任を頼ることになりました。使っていない教室を開けてもらい、抱え込んでいた悩みを打ち明けました。真剣に頷きながら聞いてくれて安心したのを覚えています。」
「僕は高校2年生の時に全日制高校を辞めて行く高校に迷っていたところ、先輩に『桃谷高校来たら』と言われ、入学しました。僕は集団生活が苦手なのですぐ行けなくなるのではと思っていたけど、先輩の周りの人たちは面白くていい人ばかりでなじめました。人間関係が苦手だった僕が、集団生活ができたのも周りの人たちのおかげだと本当に感謝しています。」
「私は小学校中学校ともに、まともに学校に通えていませんでした。高校を受験し通う決心をしたものの、また外に出られず引きこもってしまうのではないかと不安でした。でもこの4年間、桃谷高校はそんな不安を吹き飛ばしてくれるかのように楽しく充実した日々を送らせてくれました。友達はもちろん、先生方の親身さに助けられて今何とか卒業まで走ってこれました」
卒業生の思いのこもった卒業文集は、本校の宝物です。