SSHの取組みと成果

SSHとは

文部科学省が指定する「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」は、先進的な科学技術、理科・数学教育を通じて、生徒の科学的な探究能力等を培うことで、将来社会を牽引する科学技術人材を育成するための取組です。SSHでは「科学への夢」「科学を楽しむ心」を育み、生徒の個性と能力を一層伸ばしていくことをめざしています。SSHでは、平成14年度より大学や研究機関等とも連携して先進的な理数系教育を実施し、魅力的なカリキュラムを開発するなど、科学技術に夢と希望を持つ、創造性豊かな科学技術人材の育成に取り組んできました。また、SSH指定校を拠点校として、地域への成果の普及などを行っています。国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)は、SSH指定校への物品購入、研修・講師費用等の支援、並びに発表会等の企画運営などを行い、SSHと密接に連携しその取組を積極的にサポートしています。
(出典:国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)SSHパンフレット)

※参考

  • 国立研究開発法人科学技術振興機構 次世代人材育成事業「スーパーサイエンスハイスクール」

  https://www.jst.go.jp/cpse/ssh/

  • 文部科学省 スーパーサイエンスハイスクール

  https://www.mext.go.jp/a_menu/jinzai/gakkou/1309941.htm

  • 文部科学省 「SSH指定校のめざす姿(イメージ)」

  https://www.mext.go.jp/content/20210701-mxt_kiban01-000016309_2.pdf

 

沿革

 平成14年(2002年) SSH事業開始(文部科学省)
 平成16年(2004年) SSH第期の指定を受ける(3年間)
 平成19年(2007年) SSH第Ⅱ期の指定を受ける(5年間)
 平成21年(2009年) 中核的拠点育成プログラムの指定を受ける(1年間) ※
 平成22年(2010年) コアSSHの指定を受ける(2年間) ※
 平成24年(2012年) 第Ⅲ期の指定を受ける(5年間)
 平成25年(2013年) 科学技術人材育成重点枠の指定を受ける(3年間) ※
 平成28年(2016年) 科学技術人材育成重点枠の指定を受ける(1年間) ※
 平成29年(2017年) 第Ⅳ期の指定を受ける(5年間)
 平成29年(2017年) 科学技術人材育成重点枠の指定を受ける(3年間) ※
 令和02年(2020年) 科学技術人材育成重点枠の指定を受ける(2年間) ※
 令和04年(2022年) 第Ⅴ期(先導的改革型)の指定を受ける(3年間) ※ 
 ※SSH指定校の中で地域の拠点校を指定。第Ⅴ期はその役割も含んでいます。

 

学校設定教科『創知』

平成28年度の1年生から全クラス文理学科になることを機に、生徒全員(各学年360名)が課題研究に取り組むための新たなカリキュラムを開発しました。令和4年度のSSH第Ⅴ期からは、新学習指導要領への移行に伴い、創知Ⅰを1単位から2単位に増加し、情報を中心とした教科横断的で実践的なカリキュラムの開発を行っています。
 

  • 創知Ⅰ
    第2学年で実施する課題研究に向けて、第1学年では生徒全員が研究の基礎を学びます。年度末には2人1組で実施したプレ課題研究を英語のポスターにまとめ、留学生とともにポスターセッションを行う「サイエンスイングリッシュ」を実施しています。
  • 創知Ⅱ(前期)
    前期は2時間の授業を1時間ずつに分け、1時間はディベートと研究倫理を、もう1時間は課題研究準備を実施しています。ディベートではクラスマッチも実施しており、ジャッジには弁護士の方々(卒業生)をお招きしています。
  • 創知Ⅱ(後期)
    第2学年の生徒全員が2時間連続で課題研究を実施します。前期の課題研究準備と接続することで1年間の課題研究を実現させています。
  • 創知Ⅲ
    どの分野に進んでも求められる論理的思考力を育成するため、数学分野の探究活動を実施しています。

>> 学校設定教科『創知』の取り組み内容は <こちら>

 

突出人材の育成

  • 科学オリンピックの取組
    「オリンピックは参加することに意義がある(=最大限の努力をすること)」という名言が知られているように、科学オリンピックも同様に、7種目(物理、化学、生物、地学、数学、情報、科学地理)のいずれかに1度はチャレンジするように呼び掛けています。また、選手(参加者)対象にガイダンス、対策講座等を実施しています。
    平成29年 予選通過6名、本選銀賞2名
    平成30年 予選通過4名、本選銀賞2名
    令和01年 予選通過10名、本選銀賞2名・本選銅賞2名、世界大会(イスラエル)銀メダル1名
    令和02年 予選通過3名、本選金賞1名・本選銅賞1名
    令和03年 予選通過6名、本選銅賞1名
    令和04年 予選通過10名、本選銅賞1名
  • ウルトラレッスン
    高校の授業では扱わない発展的な内容の講義、実習等を大学の先生とともに実施しています。
    実施例:環境DNA、都市デザイン・土木・建築等
  • 台湾研修
    台湾の高校で開催される理数系の研究発表会に参加しています。毎年、選ばれた約20名の生徒が研究発表(ポスターセッション)、質疑応答、台湾の先生による指導助言等、すべて英語で実施します。

 

科学技術人材の育成

「自分のキャリアデザインのために時間が作れる人になってほしい」という思いから、大学、企業、卒業生等、多くの方々のご協力をいただき、様々な課外活動の機会を提供しています。

  • 天高アカデメイア+(プラス)
    平日の放課後に大学の先生や専門家の方をお招きして、最先端の研究等に関する講演会を実施しています。約1時間の講演で、年間15回程度実施しています。
  • 医系ライフ
    医学部進学希望者を対象に、夏季休業中に、地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンターや大学の医学部等において、専門性の高い研修を実施することで、医学部進学や臨床と研究に対する具体的なイメージ強く持たせ、使命感をもった人材の育成をめざしています。
    ※実施に際しては、卒業生の方々に多大なるご協力をいただいております。
  • 理数系部活動の活性化
    天王寺高校には、物理・化学・生物・数学・情報・(社会)の研究部があり、のべ100名を超える部員が、それぞれの研究活動、校外イベント・コンテストへの参加、他校との交流、他校との合同合宿等の活動を行っています。
  • 外部イベントへの参加
    現在、大学や企業などの団体が様々な理数系イベントを開催していますが、それらのイベントへの積極的な参加を呼びかけています。天王寺高校ではSSHコーナーを設置し、普及活動に努めています。

 

普及の取組

  • 大阪サイエンスデイ
    大阪府のSSH拠点校として、大阪府研究発表会を開催しています。
  • 近畿サイエンスデイ
    近畿北陸の連携校とともに、質疑応答を重視した研究発表会を開催しています。SSH生徒研究発表会での入賞をめざし、互いに切磋琢磨できる貴重な機会となっています。
    ※近畿北陸SSH8校(連携校):石川県立金沢泉丘高等学校、福井県立藤島高等学校、滋賀県立膳所高等学校、京都市立堀川高等学校、三重県立津高等学校、奈良県立奈良高等学校、兵庫県立神戸高等学校、(大阪府立天王寺高等学校)
  • 大阪府研究部会議
    大阪府の研究部に所属する高校生を対象に、研究部のオフ会を開催しています。