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第3回 天高アカデメイア+(プラス)を開催しました

5/27・令和6年度 第3回天高アカデメイア+(プラス)
タイトル 「楽して計算するには ー計算を科学するー」
講師 京都大学数理解析研究所 牧野和久教授 

本日のアカデメイアは本年度最初の「数学・情報」分野の講演であった。
本日講師としてお越しいただいた牧野先生のご講演は、数学と情報の境界はどこにあるのかと考えさせられる内容となった。講演のはじまりでは「20年前はアルゴリズムと聞いて『アルゴリズム体操』しか浮かばなかったが今はそうではない」とし、一般市民のアルゴリズムの捉え方が変化してきたことを話された。「角の二等分線の引き方は中学校で学んだ。では三等分線は?」との質問に、最前列に座った1年生は「できるわけがない」という表情をしたが、牧野先生から「どうやって証明するの?」と問われ、困惑していた。次に、「323を素因数分解して」と問われた後、即答する天高生がいて会場がややざわついたが、続けて牧野先生が174桁の数字をスライドに示し、「次にこれを素因数分解して」と続けられた。参加した生徒は、数学に自信を持つ者も少なくなかったが牧野先生の問いに揺さぶられている様子だった。
「計算できるかできないかは有限回のステップで終わるかどうか」、「計算機は何でもできるのか?」と問われ、巡回セールスマン問題などを例に考える機会をいただいた。「誰にでも説明できるが、証明することが難しい」という言葉が印象に残る講演となった。

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