明日から冬休みです。

本日、冬休み前のあいさつを放送で行いました。その内容を以下に記載しておきます。

あいさつでも触れましたが、年末年始を迎え人と会う機会も増える事でしょう。くれぐれも体調管理には気を付けて、元気に新しい年を迎えてほしいと思います。

**以下はあいさつ文です***

みなさんおはようございます。

これから冬休みを迎えるにあたって話をしますが、まず、はじめにコロナについてお話ししなければなりません。みなさんも再び感染が拡大しているのは知っていると思いますが、大阪では4日連続で新規感染者が1万人を超え、週明けには大阪モデルの「赤信号」である非常事態宣言が出るようです。
特にこの時期は人と会う機会が多くなりますので、それぞれにしっかり対策をしてほしいと思います。

さて、これからお話しするのは、私が豊中市立第四中学校 夜間学級の総合学習発表会を見に行った時のことです。みなさんは夜間中学のことをどのくらい知っていますか?

夜間中学は、様々な事情で小学校や中学校といった義務教育を十分に受けることのできなかった人に義務教育を保障するためにできました。また、日本での生活を始めたばかりの外国の方も多く通っておられます。現在、全国には36校の夜間中学があり、大阪府にはそのうちの11校があり、全国の自治体でも最多です。本校にも夜間中学を卒業して入学されている人もいます。

そんな夜間中学の発表会に行くたびに、強く感じていることがあります。それは、生徒も先生も本当に「学ぶ」ということをとても大切にされているところです。

今回の発表会で、夜間中学をテーマにした作文の発表がありました。その中で「わからなかった日本語がわかるようになって、買う服のサイズをちゃんと言えた」「読めなかった漢字が読めるようになってひとりで役所の手続きがちゃんとできた」「これまで知らなかったことをたくさん知ることができてうれしかった」など、夜間中学での学びにそれぞれの喜びを見つけ、大切に取り組んでいる様子がよく分りました。

特に、印象深かった作文があります。それは、学校に通わせることができず子どもに申し訳ないという気持ちを抱いたまま亡くなってしまったお母さんにあてた手紙のような作文でしたが、その発表の中で「ちゃんと勉強している今の自分を天国から見て安心してほしい」と読まれたときの、自信と誇りに満ちた表情がとても印象的でした。

四中夜間のホームページをみると 『「学ぶことは 生きること」 学びの原点』と書いてあります。その方にとっては、まさに「学ぶことは 生きること」だったんだなと強烈に感じた瞬間でした。

みなさんの中にも、さまざまな困難の中で頑張って夜桜に通っている人がいることを知っています。
もちろん、高校を卒業することが大きな目標だと思いますが、せっかくの学びの機会です。一生懸命「学ぶこと」に取り組んでください。

「それまで知らなかったことを知る」、「出来なかったことが出来るようになる」

とても単純なことですが、このことに喜びを感じてほしいし、自信を持ってほしいです。

それは自分に自信を与えてくれるとても素晴らしいことだと思います。

高校で学べる時間を大切にしてしっかり学んでください。

今年卒業される四中夜間の生徒の中には、高校に行きたいと話している方もおられました。もしかすると4月には入学してこられるかもしれません。みなさんには夜桜の先輩として高校で学ぶことの素晴らしさを見せてあげてほしいと思います。

では、病気やけがをすることなく良い年を迎えてください。

これで終わります。