後期始業式のあいさつ ~自分で自分を守る~

本日、後期の始業式を放送で行いました。あいさつでお話ししたことを以下に掲載しておきます。

皆さん、おはようございます。准校長の田中です。
さて、3日前の前期終業式で後期に向けてのお話をしましたが内容を覚えてくれていますか?
そもそも聞いていなかったということはないでしょうね。

皆さんに話したことは、前期を振り返りしっかり「反省」をしてほしいということです。反省の本当の意味が使われ方と少し違っているのは覚えていますか?
もう一つは、週末でリフレッシュ&リセットをしてほしいということでした。上手にできましたか?

さて、今日はそのリフレッシュ&リセットにも関係する「こころ」に関する話をしたいと思います。

皆さんは「心身一如」(しんしんいちじょ)という言葉をしっていますか?
この言葉は「禅語」つまり禅宗で使われている言葉です。この言葉は禅宗から生まれた茶道でも使われる言葉なので、もし皆さんの中に茶道をやっている方がいたら知っているかもしれません。

漢字でどう書くかは自分で調べてみてください。漢字を見ればその意味することは、すぐにわかると思いますが、簡単に言うと「こころとからだはまるで同じもののようだ」という意味になります。
つまり「心と体は互いに切り離して考えることができない」ということです。この言葉をなぜ持ち出したかというと、この言葉は古くからの仏教の教えでありながら、なんと厚生労働省のホームページにも医学的にも意味のあることとして掲載されているからです。
実際に、「心身症」という病気があります。心を病んだことで本当に体調を崩すことを言いますが、皆さんに中には心当たりのある経験をした人もいるのではないでしょうか?

そこで、私が皆さんに伝えたい事は、「こころ」と「からだ」は密接に関係していて常に同じ方向に向かおうとする性質があるのならば、逆にそのことを利用して、心や体の健康を取り戻そうということです。

たとえば、こころが弱ったり、大きなストレスを感じたら、無理をしてでも笑顔をつくってみる。難しくてもやってみる価値はかならずあります。無理やりでも笑顔をつくっていると、必ずいつの間にか心が軽くなってきます。

体調が悪いときは、体を休めることも必要ですが、こころを労わってやったらどうでしょうか?
体を休めていても心が休めていないという経験はないですか?
例えば、難しい病気にかかったとき、ネットなどで病気に関する情報を得ようとすると、人はネガティブな情報に注目してしまうといわれています。そうするとますます心が重くなり、体にとっても悪影響が出てきてしまうかもしれません。
だから、そんな情報に触れずに、たとえば、自分の好きな音楽をきいたり映画を見たり、すこし体が動くなら気持ちのいい場所を散歩したりして、自分の心に優しくしてみてください。そのことだけで体調がよくなるはずです。

ただ、どちらも今の辛い状況とは反対の行動をするのですから、すぐに実行するのは難しいかもしれません。
しかし、そのように心掛けて日頃から訓練しておくと、知らず知らずのうちに、その思考パターンが身について「自分で自分を守る」ということができるようになります。

ストレスや病気のない人生はありません。その中でより良い時間を過ごしていくために「自分で自分を守る」ことができるようになってほしいと思います。頑張ってください。

では、これでおわります。