科学の甲子園 全国大会出場決定
令和6年10月27日に行われた科学の甲子園大阪府大会において、北野高校が総合1位となり、全国大会に出場が決定しました。今回は出場が決まった生徒たちに集まってもらい、科学の甲子園の準備や当日の様子について語ってもらいました。
司会:本日は対談に来ていただきありがとうございます。
生徒:こちらこそありがとうございます。
司会:質問に入る前に、そもそも科学の甲子園とは何なのでしょうか?
生徒:科学の甲子園とは、高校生の団体で、理科、数学、情報の分野で、競技を行う取り組みです。筆記競技と実技競技があり、筆記競技はその名の通り、実技競技は出題された科目の知識と技能を問われるような競技となっております。
<筆記準備>
司会:甲子園と名のつく通り、科学の精鋭たちが集まるんですね。では早速、質問に移らせていただきます。まず、筆記試験に向けた準備はどのようなことを行いましたか?
生徒:予選の問題は公開されていなかったので、ひたすら全国の問題を解きました。すると、習っていない範囲のところが出てくる。そこで僕たちは、教科ごとに担当を決めて(筆記に出場する6人に対してちょうど6教科)勉強していました。一番大変なのは地学?地学基礎は文系で習えるけど、地学はそもそも開講していないので。なので担当の人は問題集とか探してきて、学校で朝からとか、結構ガッツリ勉強していました。あとは、物理も結構重い単元である電磁気を自分たちでやる必要がありました。その頃、学校では熱力学をやっていたと思うんですけど、それをそっちのけで。
一番すごいのは数学担当ですね。なんか、既に高校範囲は終わらせて、普通に大学範囲の数学をやっていました。
そういうメンバー一人一人の持っているものとか、努力が、チームとしての信頼感を作り、本番の結果につながったとは強く思います。
司会:なるほど、確かに筆記試験ではどうしても個人で頑張らければならない面が強く出ていると思いますが、それがチームの自信に繋がったのですね。では、その成果はいかがでしたか?
生徒:本番の筆記試験はもちろん楽しみでしたが不安な気持ちも抱えながら迎えました。まず、時間が足りるかどうかが心配でした。しかし、分からないところを全員で共有したことで余裕を持って解き切ることができました。また、当日最も不安だった生物も1ヶ月ほど前から分担して勉強していたので乗り切ることができました。生物を全員で分担して他の教科の担当を増やすという作戦も結果的に上手くいったと思います。普段の定期テストなどとは異なる協力しながら問題を解くということは新鮮でとても楽しかったです。このように不安だったことも含めてすべてがうまくいっていました。この時点では。
司会:6人で問題を解く、という科学の甲子園ならではの状況でなんとか乗り越えることができたのですね。ですが、最後の匂わせが気になるところですね... では、もう一つの競技の実技競技はどのようなものだったのでしょうか
生徒:色々と制約はあったのですが、一言でいうと、綱渡りをして段差を登るロボットの作成でした。
<実技準備>
司会:綱渡りできる機構の作成、とても難しそうですね。皆さんはどのような取り組み方で挑んだのですか?
生徒:私たちは、実技競技の概要が発表されてから、放課後や昼休みに集まり、実技競技の準備をしました。
うちのチームにはロボコンなどに出ている人がいなかったので、手探りで進めていくしか方法はありませんでした。そんな状態で、理想の機体を一発で完成させることができるわけがない、ということで少しずつロボットを改良していく形になりました。その中で、ロボットを一から作り直したこともありました。
ロボットを作っていく中で一番悩んだのは、「どこに電池を置くのか」でしょう。ロボットのパーツの中で電池が一番重く、置く位置で重心が大きく変わるので色んな所に設置していました。最終的に、重心が中央に来るように横側に設置することになりました。
これらの努力が、本番の成功に繋がったのだと思います。
<本番実技>
司会:やはり試行錯誤を重ねることで、着実に成功に近づいていくということですね。しかしこういったことにはトラブルは付き物。実際にはそのロボットは稼働しましたか?
生徒:開始の合図でロボット制作とレポート作成を開始しました。ロボットは問題なく作れ、レポートの出来も上々。後は本番だけだ!と思っていた矢先。何度テストをしてもうまくいかず、段差を超えられなかったんです。原因となりそうな機構を何度も改良しても上手くいかず、昼休みはお通夜ムードでした。後から先生に聞くと、新品のタイヤは摩擦が起こりにくいことが原因かもしれないと聞いて絶望しました。そして迎えた本番、なんとロボットは段差を超えたんです!最後の足掻きでタイヤに巻いたゴムが起動力となり、ロボットは軽快に段差を超えていきました。今思えば、それが最も盛り上がり、チームとして喜びを共有した最高の瞬間でした。
<結果発表の感想>
司会:----ドラマチックですね。「本番の思わぬ事態に万事休す。どうする!」といった状況から見事に巻き返して、最終的には優勝に返り咲いたわけですね。優勝したと知ったとき、どのような心境でしたか?
生徒:科学の甲子園の大阪府大会の参加校は20校であり、順位の発表は8位から順にされました。高校名が読まれるとき、大阪府立から始まるたびに北野高校ではないかと緊張しました。そして2位まで発表されても北野高校の名前は出てきませんでした。実技競技が上手くいったこともあり、2位から8位ではなかったということで1位の自信がありましたが、実際に優勝して表彰されたときはとても嬉しかったです。
<全国に向けて>
司会:大阪予選を突破して、次に目指すは全国大会。大阪大会の時のように華やかな結果を持ち帰って来て欲しいものです。では、最後に、全国大会へ向けての心意気をお願いします。
生徒:今まで通り筆記試験は各々で勉強して、年明けごろから過去問を通しで行っていきたいと思っています。実技試験も、過去の試験をもとにして、少しずつ行っていく予定です。
活動を始めて早一年が経過し、先生方のご助力のおかげで無事、全国大会に出場することとなりました。北野高校としては今年度が5回目の全国出場になります。本年度こそ目立った成績を持ち帰れるように奮起したいと思います。
司会:期待させていただきます。
本日は対談していただきありがとうございました。全国に向け、これからも頑張ってください。皆さんのご健闘を祈っています。