令和4年度 前期全校集会
みなさん、おはようございます。新しい年度にかわって、みなさんの前で直接お話ができるようになったと喜んでいたのも束の間、また放送で話さなければならないのは本当に残念です。さて4月から早くも4か月が過ぎようとしています。この4か月間を振り返ってみなさんは充実した学校生活を送ることができましたか。
私はみなさんの前でお話しするときには、テーマを絞り、自分の思いを伝えようと心に決めています。今日の私の思いは「みなさんにはいついかなる時でも格好よく生きてもらいたい」ということです。私は前期と後期それぞれ1回ずつ先生方の授業を見学に行きます。先生方には、生徒が「なるほど」と実感できる授業をおこなって下さいとお願いしています。以前にもお話ししことがありますが皆さんをなるほどと実感させるのは並大抵のことではありません。長時間の準備が必要です。長い時間を費やして先生方はその準備に取り組んでいます。私の経験ではそうやって努力しても会心の授業と言えるのは年に数回あるかないかです。
今年も授業見学を始めました。ある3年生のクラスで授業を見ていました。すると机の中でそっと別の問題を解いている生徒を見ました。必死の顔つきです。受験がだんだんと近づき、焦るその気持ちは本当によくわかります。しかし、先生に隠れてこそこそ問題を解いても効率的とは思えません。何よりも格好よくありません。私はみなさんにどんな時でも、見栄を張ってでも正々堂々と真正面をむいて歩んで行ってほしいと願っています。その時はどんなに苦しくても辛くてもいつかはそうやって努力した時間が報われるときが必ず来ます。
最近電車の中で孔子の「論語」を読んでいます。昔はなんだか、道徳臭くて好きではなかったのですが最近不思議と心にしっくりときます。その中で「文質彬彬」という言葉が出てきます。文質の文は外見ではなく、立居振る舞いなどの外に現れる優美な美しさ、質は知識教養などの内面的な美しさ。彬彬はそのバランスが取れている様です。孔子は言います。文質彬彬としてしかる後、君子たり。みなさんにはいついかなる時も文質彬彬たらんことを望んで私の挨拶とします。