令和6年度入学式・式辞

今年も入学式の季節となりました。

定時制の入学式は桜塚高校・全日制の入学式が終わった体育館で、定時制入学式のために座席レイアウトを変更して18時からのスタートです。

以下、准校長の式辞です。新入生のみなさん、4年間夜桜で頑張りましょう。

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【式辞】

 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
 ご参列の保護者の皆さま、お子さまのご入学を心よりお喜び申しあげます。

 大阪府立桜塚高等学校 定時制の課程は ここにおられる45名のみなさんのご入学を心より歓迎いたします。ようこそ「夜桜」へ。

 さて、定時制の本校に通う生徒はまさに千差万別です。幅広い年齢や様々なルーツ、すでに職業を持っている人もいます。事情があって小中学校時代になかなか学校に登校できなかった人もいますが、そんな過去がウソのように、楽しく夜桜の毎日を過ごしている生徒がたくさんいます。

 夜桜には制服もなければ、学校独自の厳しい校則もありません。その代わりに実際の社会で求められる規範や振る舞いを一般的な高校よりも意識する必要があります。校則のような制限や制約がないことは言い方を変えれば「自由」です。自由であるには、良いことも悪いことも、自分の行動に自分で責任を持つ必要があります。何をやっても良いのではなく、何をやっても自分が責任を負うという覚悟が必要です。

 本校では、生徒の皆さんに「自ら考え、正しく判断し、行動する力」を身につけてほしいと考えています。そのために2つのことを大切にしてください。

 1つは、どんどん挑戦し、失敗をしてください。どう頑張っても失敗が見えている場合は、準備をしてから挑戦すべきですが、「もしかしたら失敗するかも」というようなことは、失敗を恐れずに挑戦してください。やってみようか迷っている状態は、自分の成長の栄養にはならず、何かをやった気にだけなって、ただ心が疲れてしまいます。「何もせずに後悔するより、やって後悔するほうがよい」とよく言いますが、後悔するために行動するのではありません。何か行動を起こすことで、必ず変化が起こり、必ず自分の中に新たな発見や新たな感情が芽生えるはずです。成長とは単に身体が大きくなるだけではありません。様々な経験を通して心も成長します。仕事をするようになると、なかなか失敗はできなくなります。ぜひ高校生の間にたくさんの挑戦と失敗をして、たくさんの経験を積んでください。

 2つは、情報に飲み込まれないようにしてください。現在の私たちが1日に受け取る情報量は、平安時代の一生分、江戸時代の1年分とも言われています。SNSの投稿だけでなく、ニュースさえも、あなたが興味を持つ話題が選ばれて表示されるようになっています。ひとつの物事でも様々な見方があり、賛成意見もあれば反対意見もあります。ところが、今皆さんが持ち歩いているスマホでは自分の考えに近い情報ばかりが表示されます。これはAmazonのおすすめ商品のように、自分以上に自分の欲しいものが分かっているような不思議な感覚と同じで、ユーザーの趣味趣向に合わせて表示内容が変わります。世の中の多くの人が自分と同じ思いを持っていると勘違いしてしまうようなことがないように、その情報は本当に正しいのか、別の視点で見たらどうなのかというように、情報に飲み込まれることなく、自分自身でその情報が正しいのかを判断する習慣をつけてください。

 1か月前、卒業式の式辞として、この場で卒業生に贈った言葉を皆さんにもご紹介します。夜桜での高校生活の中で、「でも」「どうせ」「だって」というネガティブワードは封印しましょう。心が折れそうになることは誰にでもありますが、夜桜は「何かを諦める」ために来る学校ではありません。自ら考え、正しく判断し、行動する力を身につけるとともに、誰かから夢を与えられるのではなく、夢や目標を実現させるための力を身につけるための学校です。そのために教職員一同が全力で皆さんをサポート、バックアップします。

 数年後の卒業式で、自分はこの夜桜でやるべきことをやり切ったと胸を張れるように、夜桜での高校生活を全力で楽しんでください。

令和6年4月8日
大阪府立桜塚高等学校 定時制の課程
准校長 今西 良介