先日の11月19日(土)にKKRホテル大阪において、多数のご来賓をお迎えし、大阪府立桃谷高等学校創立50周年の式典が盛大に開かれました。 記念式典の第一部では、本校の卒業生であり、後援会会長で50周年記念式典実行委員会委員長でもある中井 政嗣 様(お好み焼き 千房社長)とⅠ・Ⅱ部 岩崎校長からのあいさつに続き、ご来賓を代表して大阪府教育庁教育振興室 山上 浩一 副理事からお祝いの言葉をいただきました。 歴代の校長・准校長先生も多数、ご来賓として出席していただきました。
その後、50周年創立記念事業として、講堂の緞帳一式と東西館自習室の空調設備一式の寄贈目録を中井会長から岩崎校長が受けとりました。 来年の卒業式には、緞帳が新しくなっていますので楽しみにしておいてください。
続いて行われた記念式典の第二部は、チベット人で歌手のバイマーヤンジンさんによる講演とコンサートが行われました。 バイマーヤンジンさんは、チベット出身の歌手で、厳しい倍率を乗り越え、中国国立四川音楽大学に入学し西洋オペラを勉強されました。卒業後は同大学専任講師として教えながら、 中国各地で数多くのコンサートに出演されました。
バイマーヤンジンさんは、大学まで進学されましたが、ご両親は貧しいチベットの遊牧民で、文字を読むこともできず、生活は厳しく、生きて行くのがやっとという家庭で育ったそうです。子どもの頃から働くのが普通で、周りで学校にいける人はいなかったため、文字を読める人はほとんどいなかったそうです。 ご両親は、文字が読めないために大変苦労され、子どもには文字が読めるようにしたいと、バイマーヤンジンさんを学校に行かせたそうです。11人兄弟で、生活のこともあり、1番上の兄さんは学校に行けず、遊牧を引き継いだそうです。 大学時代には、民族的な差別を受け、いじめにもあいましたが、大学を卒業し、家族に仕送りし、楽にさせたいとの思いで、耐えて勉強に頑張ったようです。
日本人のご主人と知り合い、初めて来日したとき、大きなカルチャーショックを受けたようです。それは、空には飛行機が飛び、地上には新幹線が走り、さらに電車もあって地下鉄もある。道路には多くの車が走っている。スーパーには食べ物がいっぱいあり、自宅には便利な家電製品がある。チベットの生活を思うと、日本は本当に天国のように感じたそうです。
日本で生活していく中で、日本とチベットとの差は何かと考えた時、それは教育の差だと思い、チベットの人々を豊かにするためには教育が必要で、チベットに学校を作ろうと強く決意されました。 現在もチベットに学校を作る活動をされています。 教育を受けることの大切さを自らの厳しい体験を含めながら、優しく、時にはユーモアを入れながら話と美しい歌で、あっという間に時間が過ぎていきました。
世界中には、我々が想像もつかない貧しい国があり、当たり前に感じている電気や水、電車やスーパーなどのありがたさと人を幸せにするのは、教育であるということを再認識させていただきました。 講演後は、会場内は大きな拍手につつまれ、話を聞いたみんなが笑顔になっていました。
創立50周年記念行事を終え、今後も一層、桃谷高校の教育を充実させていかなければならないと思いました。