南極授業

1/24(金)に南極授業を実施しました。
これは、本校の全日制に所属している理科の山本那由先生が、第66次南極地域観測隊として、南極に派遣されたことから、南極の昭和基地から通信(オンライン)でリアルタイムで学校と接続し、授業を行っていただいたものです。

本校定時制での南極授業は4限(20:35〜21:20)の夜の時間帯でしたが、南極と日本の時差がおよそ6時間ほどありますので、現地の昭和基地では15時前でした。

まずは、その時の外の様子を教えてくださいました。

   <左:隊員の方 右:本校(全日制)山本先生>

かなり風が強かったようです。
ちなみに、日本は冬ですが南極は南半球にあるので、季節は夏ですから雪はありません。
とはいえ、この日の気温は1℃だったそうです。


<猛烈な風に分類されていて、走行中のトラックが横転するくらいの強さだそうです。>



<船は砕氷船"しらせ"。海に浮かぶ氷を砕きながら進みます>



    <雪が舞い上がっている様子です>



<写真ではわかりにくいですが、太陽光にあたった氷晶がキラキラしています。>



   <今の時期はオーロラは見えないそうです。>

スタジオに移動した山本先生による南極授業の始まりです。

後ろにある3つの時計のうち、一番左が日本時間でしょうか。この授業は20:35に始まりましたのでちょうどこの頃だったと思います。時差が約6時間とのことでしたので、真ん中の時計が現地時間だと考えられます。なお、一番右の時計はグリニッジ天文台の時刻だそうです。

授業は昭和基地で山本先生と共に昭和基地で働いていらっしゃる調理師、研究者など沢山の方々がテンポよく出演してくださり、クイズや大切にしている言葉を教えてもらいました。

クイズも生徒が参加しやすいように○✕問題で、○✕が両面に書かれた紙を上げて答えます。
解答の様子も山本先生が見られるように工夫されていました。

山本先生が昭和基地でどのような仕事をしているか、また仕事の関わっておられる他の方の様子などもたくさん教えていただきました。
なかでもアデリーペンギンが生息する地では、1ヶ月も継続してペンギンの生態や活動について調査されておりました。
山本先生はペンギンのヒナに触ることができたことを喜んでおられ羨ましく思いました。

授業の中で4名の方にお話しいただき、大切にすることはなにかということを教えていただきました。

気象庁にお勤めの方から「協調性」が大切だということです。
昭和基地では、多種多様の職種の方が一緒に働いております。協調性がないとことはスムーズに進みません。ここでは、コミュニケーションを取ることなど協調性を大切にしているとのことでした。

研究者の方からは「失敗から考え続ける」ということです。失敗することは嫌なことではありますが、違う見方をすれば、失敗するということは改善点があるということで、改善していけば今よりももっと良くなっていくことができるということです。
また、失敗があるからこそ、何が課題だったのか、どうすればよくなるのかなど考えることで自分が成長し前にすすめるということだと私は思います。

調理師の方からは「自分がわくわくすること」です。
たしかにそうですよね。わくわくすれば、楽しみや驚きがあり、前に進もうという気持ちが溢れてきます。

環境保全をご担当されている方からは、「成功は必ずしも約束されていないが、成長は約束されている」というお言葉をいただきました。
確かに物事を頑張るだけ頑張って成功しないとガッカリすることもあります。「諦める」という選択肢を取らざるを得ないときもあるかもしれません。
しかし、自分が頑張ってきたこと、一定の成果を出したことは確かに「何かを始める前の自分」よりも確実に経験値が上がり成長していると思います。
前を向いて進むために大変いい言葉だと思います。

最後に山本先生からのメッセージです。
進む道は険しい道も緩やかな道もあると思いますが、自分で選択した道を進むことはかけがえのない価値になっていると私も思います。

生徒にメッセージを送っていただきありがとうございました。どのお言葉もとても大切なもので子どもたちの前向きに進む気持ちを育んでくれたと思います。

山本先生を始め、隊員の方々におかれましては、本校生徒のために貴重なお時間を頂いて授業をしていただきありがとうございました。
これからもまだ研究・調査等大変なお仕事だと思いますが、お体に気をつけてください。

ありがとうございました。