学校長より
大阪府立大阪北視覚支援学校 校長
太田 淳一郎
ご挨拶
大阪北視覚支援学校のホームページにお越しいただきありがとうございます。
本校は大阪府北部にお住いの視覚に障がいのある幼児児童生徒の教育を担っており、今年度は55名の幼児児童生徒が学んでいます。また地域支援では約 名の小・中・高・支援学校に在籍する視覚に障がいのある児童生徒に対して支援を行っています。さらに、就学前の乳幼児に対してはこぐま教室で保育と保護者への相談等を行っています。
実は、校長である私自身も視覚障がい者です。網膜色素変性症という疾患で、ここ2、3年急激な視力低下と視野の狭窄に悩みながらも、視覚に障がいのある幼児児童生徒の成長と自立のために自分の役割を果たしたいと常に考え学校運営に当たっています。
視覚障がいといっても見え方は様々です。全く見えない全盲から眼鏡やコンタクトレンズで矯正しても視力が出ない弱視、視力はある程度あっても周辺視野が狭い視野狭窄、明るいところは見えても暗いところが見えづらい夜盲など見え方は一人ひとり異なります。
視覚は外界の情報の8割以上を得る感覚器だと言われています。視覚に障がいがあることで歩行などの移動や文字の読み取りをはじめ様々な機能に影響が及びます。就学前の乳幼児期から視覚障がいがある場合は、残存視力や視力以外の感覚を用いた認知保育で周辺環境の把握や遊びに興味を持たせることがとても大切です。小学部(校)では子どもの状況に応じて点字の習得、そろばんを使った計算、拡大鏡や拡大文字を使用した学習など10歳までに文字をはじめとした学習方法を習得することが今後の成長にとって何より大切です。
本校では、専門的な視覚障がい教育を実践するとともにキャリアプランニング・マトリックスを活用して幼稚部から高等部普通科卒業後あるいは専攻科を含めた視覚に障がいのある子どものキャリア成長を見通した教育支援を行っています。視覚に障がいのある子どもたちが健やかに成長し、確かな学力を身に着け、卒業後自立した生活が送れることが本校の教育目標の核となるところです。
学齢の児童生徒だけでなく、私のような中途視覚障がいにより、これまで社会で活躍してこられた方で仕事を続けるのが困難になった方も本校専攻科で学んでいます。視覚障がい者が長年培ってきたあん摩マッサージ指圧、はり、きゅうの資格が取れる学科として、専攻科に理療科と保健理療科があります。3年間の課程で、国家試験合格をめざしますので勉強は大変ですが、専攻科生の皆さんは知識、技術を習得するために一生懸命頑張っています。入学資格については専攻科のページをご覧ください。