昨日、道頓堀の雑居ビルで火災があり、消防士2名が亡くなるという痛ましいことがありました。一人は55歳のベテラン、もう一人は22歳の若手。原因究明はまだですが、おそらく6階付近で生存者を探しているときに、思わぬ崩落がおこり脱出できなかったそうです。
以前、防火防災管理者講習を受けていた時に、このような雑居ビルというのはえてして消防法に違反していることが多いと聞きました。防火防災管理者というのは、一定の大きさの建物でお店をしたり、事務所をつくったりするときには、かならずいないといけないのです。学校も同じで、防火管理者というのを置かないといけません。それには、管理職がなることになっており、教頭時代に、更新講習も受けたりしました。その際に阿倍野の防災センターで、模擬の煙の中を、停電しているという設定で非常口まで避難するという体験しました。真っ暗な中、口をハンカチでおさえて、煙より身を低くしましたが、煙に巻かれると一気に視界をうしないました。
煙というのは、横に動く速度より、縦に動く速度の方が早いそうです。ましてや、炎も同様に縦の速度は非常に速いそうです。今回のビルでは、煙突効果であっという間に炎が広がったようです。
火災は起こりうるものと考えるのです。しかし、どんな建物にも防火用の装置を付けることが義務付けられています。例えば、火災報知機は、個人の家にもつけることが義務化されています。ビルでもある一定の距離を置いてつけるようになっています。あのビルの火災報知器が正しくつけられ、火災が起こった時点で報知器が正しく作動していたら、もっと早く消火活動に入れたでしょう。
消防法によって、決められたこと、消防点検で点検することは、その建物を使う人たちの命を守ることにつながります。もし、あのビルの中のお店に客として訪れていれば。火災が発生したときに、どのように対応できたでしょうか。ふだんから、防火防災の意識はもっておきましょう。避難経路、非常口、消火器の置いているところ。など、ちょっと確認することはできます。エレベーターでしかあがることができないようなビルでも、必ずひとつは避難用の階段があります。その確認だけはしておきましょう。自分の命、周囲の人の命を守れるようにしておきましょう。
亡くなった消防士さんに最大級の弔意を示します。 合掌