声かけ

生徒が登校する時間には、先生方が正門近くに立って、「おはよう」と声をかけています。全日制の生徒も帰る時間なので、全日制の生徒には「さようなら」と声をかけています。

さて、「おはよう」という言葉ですが、元々の起源は歌舞伎役者は準備に時間がかかるために、公演が始まるずっと前から楽屋入りをしていたそうです。その早く入っている役者さんに対して、裏方さんや下働きの人たちが「お早いお着き」と、ご苦労さまという気持ちを表すのに「お早い」から「おはようございます」となったそうです。また江戸時代には、商人が朝早くから仕事を始めるときに、「おはよう」という挨拶を交わすことで、商売繁盛を願う気持ちや周囲とのつながる心を表すという説もあります。現代では、朝の挨拶として用いられることになりますが、慣習的にテレビ局や劇場や撮影現場の世界では、その日最初に顔を合わせた人に対して、時間帯に関係なく「おはようございます」と言う習慣があります。

「おはよう」には、朝の挨拶という意味だけではなく、日本の文化や歴史、人間関係を反映した奥深い言葉なのです。だからこそ、定時制の生徒たちを出迎えるのに、いろんな気持ちを込めて「おはよう」と言っているのです。他の定時制でも、「おはよう」と言う言葉で生徒を出迎えているというお話も聞きます。本校でも、そういう気持ちで「おはよう」と言っています。生徒たちは、「おはようございます」と返してくれたり、ちょっと会釈したり、ちらりと見たり、スマホばかり見たり、と反応はさまざまです。でも、押し付けの挨拶ではありません。よく来たね、今日もがんばろうね、君たちの居場所はここだよ、などという気持ちで「おはよう」と言っているのです。