重要なお知らせ

牧野高校の生徒の皆さんに、今、校長から伝えたいこと

牧野高校の生徒の皆さん、新型コロナ感染症の感染拡大防止に伴う、緊急事態宣言の下で、日本全体が《Stay Home》を求められる中、皆さんは毎日をどのように過ごしていますか?

牧野高校の本年度の新入生である45期生の皆さんは、3月19日に合格発表があり、多くの方に祝福されて、その日の合格者登校や、その後の2度の入学者登校で、教科書の購入や制服等の準備など、入学の準備をしてもらいましたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のために未だ入学式も出来ていません。

43期生の3年生や、44期生の2年生の皆さんは、最初3月2日から4月7日までの学校休業の要請があり、それが5月6日までに延びて、昨日には5月10日までの延長が決まりました。3月の学年末テストの答案返却と教科書販売等での極短時間の登校を除けば、既に2か月近く学校に来られない状況です。

牧野校長の校長として、皆さんに、今年の入学式や始業式で伝えかったことを、この4月のうちに、このホームページを使って、少しお話ししておきたいと思います。

牧野高校の生徒の皆さんに、今、校長から伝えたいこと

①【自主と自立&自律 Autonomy】

牧野高校の教育方針には、「自尊」、「自浄」、「自助」の精神を身につけることがあります。これは、自らをかけがえのない存在として大切に思うとともに、自らを正しく、清らかな存在にしようと努める、また、自らを支え、助け、決してくじけないということです。

今、世界中の人々が、自分では経験したことのない規模の新型コロナウイルスの感染拡大、パンデミックの危機の中にいます。4月27日現在で、世界全体の感染者数は297万人超、世界全体での死亡者数は20万6千人を超えています。

人類は100年前の1918年から1920年にかけての新型インフルエンザ「スペイン風邪」で、当時の世界人口20億人のうちの4分の1に当たる5億人が感染し、死者数は5千万人から1億人に達したと言われていて、日本でも、1918年、1919年、1920年の3波に渡り、当時の人口5500万人のうち2380万人が感染し、39万人近い死者が出たと推計されています。

自然災害や事件、事故等も含めて、危機の対応では、危険な状態から逃れる(のがれる)、逃げる(にげる)ということが第一に大切です。今は、その危険な状況の只中にあります。そのことを自分の頭でしっかりと理解して、自らの行動を自ら律してほしいと思います。

そして、今ある空いた時間を決して無駄にせずに、これからの高校生活に必要となる学習の準備、出来れば、手元にある教科書の予習をしておいてほしいと思います。牧野高校に入学した皆さんは、大学等の高等教育機関への進学を考えている人も多いことでしょう。2、3年生の皆さんは、昨年の香川大学の真鍋先生の講演会を聴いて既によく理解していると思いますが、大学入試は、教科書に書かれていることの中から出題され、1年生の教科書の中からも沢山の問題が出されます。大学入試は、1年生の1学期から既に始まっているということも知って、是非自主的に学んで行ってもらいたいと思います。

②【無限の可能性に挑戦を Boundless】

いま15歳の新入生の皆さんは、これからの3年間、頭脳(あたま)も、身体(からだ)も、精神(こころ)も、人生の中で最も成長が著しい年代を牧野高校で過ごすことになると思います。学習する力も、部活をやり切る体力もメンタルの強さも、中学までの自分とは全く違った様相になると思います。これらのことに上限を自分で作らずに、無限の可能性に挑戦してほしいと思います。

2、3年生の皆さんの中には、今年度のインターハイの中止が報道で伝えられて、春夏に部活で活躍を期していた人の中には落胆している人もいるのではないでしょうか。昨年度の新人戦等を観に行って、男子バスケットボール部や女子バスケットボール部、男子バレーボール部、野球部、バドミントン部、サッカー部などなど、多くの運動部で今年度は大きな飛躍が期待できた3年生がいたことを鮮明に記憶しています。

残念なことではありますが、3年生の高校生活での部活の対外試合は非常に難しいことになりました。

一方で、皆さんの人生の時間はまだまだ始まったばかりです。リンダ・グラットンの『ライフ・シフト』という本では、「2007年に日本に生まれた子どもの50%は107歳まで生きる」というデータが紹介されています。

皆さんの人生は、スタートしたばかりです。今の時間は、これから見えてくる無限の可能性の準備期間と思いましょう。焦らずに、自分が本気でやりたいことや、一生をかけてやってみたいことを探すことが大事です。

③【好奇心と個性を大切に Curiosity Character】

高校生活の中では、自分の将来を決めるような興味関心事を見つけたり、人生の方向性を見い出だす様な出会いがあることも良く聞かれます。

授業で知ることであったり、先生の話や助言であったり、部活での体験であったり、人との出会いであったり、図書館の本で見つけることであったり、人によっても千差万別で、様々ではあるけれども、それが個性を育て、磨き、ひとりひとりが違う個性を活かせるようになるのではないかと思います。

自分は一体何をやりたいのか、何をすることが好きなのか、何が向いていると思うのか、考えながら、日々色々と好奇心を持って過ごすことが大事だと思います。

知識を得る、知るということには、嬉しさが伴いますが、知って自分で考える、頭を働かせることには、楽しみが付いてくるように思います。そして、自分で考えて自分で発見することには、本当の喜びがあるように思います。

「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでもゆかいに」(井上ひさし)という先人の素晴らしい助言を心にとめておいてほしいと思います。

令和2年4月28日  牧野高校 校長 日笠 賢