泉鳥取高校/全国アマモサミット2018in阪南に参加

2018年11月2日~4日 全国アマモサミット2018in阪南が開催されました。

■11月3日(土)に大阪府阪南市立文化センター(サラダホール)で行われた全国大会では、本校フィールドワーク部の益田えほさん(1年生)と千地芳樹さん(2年生)が『はんなん生きものまるごとマップ』作りと題し、夏休みを中心に行った調査の内容と見つかった生きものについての調査結果を発表しました。

■また、歓迎レセプションでは、家庭科部が地元阪南市名産の押し寿司をイメージした創作「ちらし寿司」に挑戦しました。創作のコンセプトは以下の通りです。

・全国「アマモサミット2018in阪南」のポスターの図柄をモチーフにしています。 

・キャラクターのアマもん、アマモ太郎をオクラで表現しました。  

・海の生物をイメージしてちらし寿司の上に食材を使って飾りました。

・アマモはきゅうりを薄く切って表現しています。 

・阪南市の食材(こんにゃく、しらす)を使っています。

・たくさんの魚が豊かな海の中で成長する姿を表現しています。

レセプションでは茶道部もお点前を実施しました。

■海草「アマモ」の再生をキーワードに、研究者や市民が海の環境改善を目指して開催されました。この3日間で、地元の皆さんをはじめ、全国のアマモ・海を愛するみなさん、延べ1,450名の来場があったそうです。閉会式では、'きづき'を忘れず、'うごく'を育て、'つなぐ'をつくっていくという大会宣言が採択されました。

■阪南市では、10年前から地元の小学生と海で育つ植物「アマモ」を植える活動を続けてきました。「アマモ」は海中の酸素を増やし、生き物の産卵場所や隠れ家になるため、「海のゆりかご」とも呼ばれています。研究者に加え、市民や高校生らも活発に意見を交わすのがサミットの特色です。

【本校3年生の道山さんが総合司会を務めました】3日には、フィールドワーク部が、10:30から開始された "はんなんの森里川海"〔きづこら〕というテーマの中で、「森里川海の生きもの」という発表をしました。また、4日は全国の高校12校が研究成果を発表する「高校生サミット」が開催されました。本校(泉鳥取高校)の道山さんが総合司会をつとめ、発表校に対してもいくつかの質問をしました。

■サミットは、3つの高校を1グループとした4つのグループに分かれ それぞれのグループの発表後、質疑応答をするという形式で実施されました。会場からは、たくさんの質問が出て、高校生とは思えないくらいの深い活発な議論が交わされました。

大会のタイムテーブルは以下の通りです。

■全国アマモサミット・タイムテーブル

11月3日(土・祝):全国アマモサミット

【会場】阪南市立文化センター(サラダホール)大ホール(参加費無料)

9:20~オープニングセレモニー (東鳥取小学校)

9:30~開会式
開会宣言 全国アマモサミット2018in阪南実行委員長
大会長あいさつ 阪南市長
来賓祝辞 大阪府/国土交通省近畿地方整備局

9:50~基調講演
「アマモって?(アマモの大切さ)」 NPO法人海辺つくり研究会

10:30~"はんなんの森里川海"〔きづこら〕
「海の恵みと営み」 尾崎漁業協同組合/西鳥取漁業協同組合/下荘漁業協同組合
「森里川海の生きもの」 泉鳥取高等学校
「大阪湾のアマモ・アマモ場」 NPO法人大阪湾沿岸域環境創造研究センター・貝塚市自然遊学館
「森から海つながる水」 和泉の水を育む会
「はんなんのものづくり・産業」 阪南市商工会

~ 休憩 ~

13:00~ウェルカムプレゼント
「子どもたちからの阪南の魅力紹介」 阪南市の小・中学校の児童・生徒たち

14:15~"はんなんの森里川海"〔うごこら〕
「波有手のアマモ場再生」 西鳥取小学校・関西大学北陽高等学校
「アマモ場づくりをはじめて」 舞小学校/下荘小学校
「生き物マップづくり」 はんなん生き物マップづくりチーム
「セブンの海の森活動」 (一財)セブン-イレブン記念財団
「アマモ場再生活動」 NPO法人アマモ種子バンク

15:40~パネルディスカッション"はんなんの森里川海"〔つなごら〕

~5つのヒント・50,000の約束~
・コーディネーター NPO法人海辺つくり研究会
・ジョイント・シンポジウムの報告 大阪府立大学
・アマモサミットその後 横浜/塩竃/八代/備前/志摩
・地元から・子どもたちから 〔これまでの登壇者〕

17:30~終了

11月3日歓迎レセプション~生産地と消費地をつなぐ~【会場】阪南市地域交流館講堂 ※歓迎レセプションには事前申込みが必要

18:20~歓迎レセプション~生産地と消費地をつなぐ~
参加費:5,000円 歓迎レセプションは、必ず事前にお申し込みフォームよりお申し込み下さい。定員は100名先着順となります。当日の参加申し込みはお受けいたしかねますので予めご了承ください。

11月4日(日):全国アマモサミット

【会場】阪南市立文化センター(サラダホール)大ホール(参加費無)

全国から12の高校が参加し、日頃の研究成果が発表されました。終了後には、大会宣言が行われ、次年度の「全国アマモサミット 2019 in 塩竈」に引き継ぐことが確認され、盛大に閉幕しました。

■資料■"全国アマモサミット2018in阪南"大会宣言

ここ、大阪・阪南には、人々の暮らしのすぐそば・程よい近さに森里川海があります。そして人々は、これらの豊かさや恵みを日々感じながら、暮らしています。それは例えば、古くは土佐日記に詠われているように、また、今も市の歌や校歌にも、森里川海が歌われていることにみることができます。そこには、はだしで行ける浜があり、おいしい魚や多様な生き物がいます。阪南の地先には豊かなアマモ場が広がっています。研究者は、そこに守るべき多様性と可能性そして価値を見出しています。また、男里川・山中川など川の上流・中流・河口干潟には多様な生き物が棲んでいます。和泉山脈の伏流水が海岸近くに湧き出る清水大師、せんなん里海公園なども、森里川海のつながり、また、森里川海と人とのつながりを感じることができるものです。大阪湾の環境は改変され、自然が失われてきました。ここ阪南にある豊かさや恵みは、あたりまえにあるのではなく、自然と共に営みを紡いできた人々が様々な活動を通じ、守り、育ててきたものです。それは例えば、大阪府下唯一の、のり加工業などの漁業や水産加工業、また、この地の成り立ちである14村をルーツとする、ものづくりへの心を尊重し、技を継承する、「阪南ブランド14匠」などに、その姿をみつけることができます。子どもたち若者たちは、アマモや海の環境を守るための5つのヒントを考えました。自分たちが行動することの面白さや責任を感じ、大切なことを伝えていきたいと思っています。環境を守り、伝統を引き継ぎ、地域の振興を図るために、今、皆が動き出さなければなりません。私たちは、この大会を通じ、様々な人々の話を聴き、感じることができました。私たちは、私たちに何ができるか、どうすればいいか。それを考え、話しました。

今あるものを守ること、今の動きを育てること、新しくつくること。それらは一朝一夕にできることではなく、課題ややるべきことは五万とあります。それでも、私たちには、5つのヒントがあります。私たちには、50,000の家族がいます。そして、それを応援し、支えてくださる全国の仲間がいます。私たちは、平成時代有終の秋、ここ、阪南の地での"全国アマモサミット2018 in 阪南"の開催を契機として、

1.一人ひとりは、この地の豊かさや恵みの'守り隊'である自覚を持って、一人ひとりが、'きづこら・うごこら・つなごら'を合言葉に、この地の豊かさや恵みを伝える・広めていく

1.子どもたちは、みんなで阪南の森里川海で遊び、支えてくれる地域の人々や友達・先輩・後輩が共に体験・経験したことからさらに学びを深め、大人になっても忘れず、できることを実行していく

1.地域で暮らし、働く全ての大人たちは、子どもたちが体験・経験できるように、その手助けを続けていく

1.漁業者は営みの主体者として、おいしい魚介を漁(すなど)り、ノリ・ワカメ・コンブなどを育て、海の幸を食べる文化を支えていく

1.産業界はこの地のブランド力を高める者として、それぞれの活動を発展させ、伝統の技術を次の世代に継承していく

1.研究者は、アマモ場の再生を進める研究とともに、それとカキの養殖を両立させる手法など、環境保全と地域振興を共存させる道筋について検討を進めていく

1.行政は、様々な人々がみんなで動けるように、下支えや仕組みづくりを考え、これからも森里川海をまちづくりの根幹としていく

ことを、約束しました。この地をまた皆さんに訪れていただいたとき、「あのときの約束は、こういうことだったんだな。」と皆さんに感じていただけるよう、わたしたちは、'きづき'を忘れず、'うごく'を育て、'つなぐ'をつくっていきます。    平成30(2018)年11月4日