令和2年度 入学式式辞

コロナウイルス感染症予防の影響で実施できませんでした入学式の式辞を掲載いたします。

令和2年度入学式  

式  辞

春の嵐の一吹きで、春から初夏に一足飛びしたかのような清々しいこの日に、238名の希望に満ちた新入生を迎えることができ、学校として、まことに慶びに耐えません。

さて、本校のミッションは、国際社会に貢献するトップリーダーの育成にあります。そのために、本校は、生徒たちに自主自立の人間となることを要求します。

ところで、自主自立といえば、福沢諭吉を思い出します。

福沢は、大阪の緒方洪庵の適塾で蘭学を学び、江戸に出て、これからの世界は英語だと悟ると、苦労して身に着けたオランダ語を捨てて英語を一から勉強しなおし、アメリカに渡る。以後、慶応義塾を開設して日本の高等教育に貢献し、『学問のすすめ』『文明論の概略』『福翁自伝』等の執筆と、講演活動、ジャーナリストとしての活躍とで日本の近代精神の礎を築きました。

福沢の中心思想は独立自尊です。人も国家も独立自尊です。人も国家も自主自立であってこそ尊いのだというのです。そして、独立した人間とは、経済的にも精神的にも他人に頼らず、一人の人間として国家に貢献することのできる人だと言っています。

今、世界はグローバル化しているだけに、福沢の思想は見直されるべきです。そして、自主自立の人間を育てる本校の役割はこれからいよいよ増していくと思われます。皆さんも泉鳥取高校の生徒として、泉鳥取高校の歴史に連なり、自主自立の個人として、国際社会に積極的に貢献することで、新たな泉鳥取高校の歴史を築いていってください。

さて、新入生の皆さん、あらためて入学おめでとう。

皆さんは、本校をめざし、入学選抜を通して選ばれた人たちです。このことを踏まえ、改めて、「自分は高校へ進むのだ」と決意したときの気持ちを忘れないでほしいと思います。高校生活では、つらいことや苦しい時もあるかもしれません。そういう時には、今日の気持ちを思い出し、勇気をもって自分を励まして乗り越えていって下さい。高校は義務教育ではありません。自ら鍛え、卒業まで頑張り通す覚悟が、是非とも必要です。

本校は、大学や専門学校に進学してから、就職してから一生役に立つ「真の力」を育てることをめざしています。これからの国際社会で必要なのは文系の知識を備えた理系の人間、理系のセンスのある文系の市民だからです。

また、真の力を身に着けるためには、授業を中心に据え、十分な自主学習をすることが必要です。どんな部活・行事で忙しくても的確に切り替えを行い、自主学習の時間を確保してください。苦しくてもその経験が人間を磨きます。

泉鳥取高校で、皆さんの可能性を精一杯引き出し、夢を実現して下さい。私たち教職員は全力で、指導にあたります。新入生の皆さんの、本気・元気・根気を期待しています。

次に、保護者の皆さんに申し上げます。

この度は、お子様のご入学、誠におめでとうございます。

本日より大切なお子様をお預かりし、学校としてできる限りの教育を行い、お子様の健全な成長を支援してまいります。

入学にあたり、学校として保護者の皆様にお願いが二つございます。

一つは、お子様が「高校生として必要かつ望ましい習慣」身につけるよう、ご家庭でのご指導をお願いしたいということです。高校生は、経験も判断力もまだまだ未熟です。また、高校生を取り巻く環境はけっして安心できるものではありません。そういう環境下で、良き習慣を身につけさせるには、ご家庭での指導が是非とも必要です。

もう一つは、本校の教育方針をご理解頂き、学校との連携をお願いしたいということです。生徒の実態と社会の状況を踏まえた本校独自の教育方針があります。このことをご理解いただいたうえで、家庭と学校が車の両輪となり、お子様の成長を支援していきたいと考えております。何卒よろしくお願い申し上げます。

結びに、本日入学した238名の新入生の皆さんの充実した高校生活と、健やかな成長を記念し、式辞といたします。

令和2年4月8日

大阪府立泉鳥取高等学校

校 長 峯 近 卓 美