和歌山大学との連携===教育ボランティア学生の受け入れ

2018/11/20  大阪府立泉鳥取高等学校

■はじめに

和歌山大学の「教育ボランティア」は、将来教員をめざす学生が、教育の現場に触れて実践的な力をつけ、学びを深めることをねらって実施されている。また、社会体験実習として30時間1単位として4単位まで単位認定を行い、単なる課外ボランティアとしてだけではなく、教育学部の正規の教育にもなっている。

実際にこのボランティアに参加する学生は、修得すべき単位を十分取り終えている学生が多く、単位認定にこだわらず、将来の夢に向かって真摯に活動に取り組んでいる学生が多い。学生に対して大学は、コーディネートを行う教員を配置し中高と連携している。学生にとって、またとない学校現場の体験となる機会であるとともに、高校としても教員になるために自己の課題に気づき意識的に解決していこうと取組む有意な若者を受け入れることとなり大変意義深い。

今後教育に携わりたいという人材を受け入れ、生徒の学習面等でのサポートを得るとともに、将来の教員を育成するという実践となっている点を考えると、本校としても受け入れる責任の重大性を感じながら、また、大きな成果を期待しながら取り組んでいるところである。

■連携に至る経緯

・平成29年度に、和歌山大学を訪ね、勉強を教え、また、イングリッシュ・カフェに参加など、高校にボランティアに来てくれる学生を探していることを伝える。その後、数回にわたり、連絡を取りあうなど機会を探ってきた。

・平成30年度2学期初めに、和歌山大学大学院の院生のボランティアを1名受け入れることとなった。

・同10月2人目の学生を受け入れることとなった。次年度に向けて、高校としても組織的でかつ計画的な受け入れ態勢の整備を推進していくことを課題と考えている。

■平成30年度(10月現在)の受け入れ態勢の概要

平成30年11月8日現在、以下の要領で2名の和歌山大学生のボランティアを受け入れている。

〇実施している内容

① 早朝登校指導(8:00~8:30頃)・・・・・最寄駅~学校間で立ち番。特に、交差点等での誘導・指導。

② 専門教科の授業観察、支援等(写真参照⇒社会科授業への入り込み)

③ 部活、放課後の学習指導等/現在、教育ボランティア活動に来校してくれている学生は野球の経験者である。放課後は、野球部の指導や図書館に居場所を求めてやってくる生徒の対応や学習指導、また、開講された補習授業の手伝いなどを実施してもらっている。その他、昼休みの立ち番なども支援してもらっている。

■今年の現状とまとめ・・・・多角的かつ柔軟な高大連携の推進をめざしていきたい

 1週間に1~2日、4~6時間程度を目途に校内での生徒指導、学習指導等の支援を実施してもらっている。

現在、学校という職場の実情を知ることと、ボランティア学生本人の学習も兼ねたボランティア内容となっている。

生徒たちも年齢的に近く相談や質問もし易いようであり、ボランティア学生本人たちも、将来の教員生活を夢見て懸命に取り組んでおり、高校と大学生の両方にとっても互いに有意義な活動となっている。

特に、授業等への入り込みなどで、現場感覚を体験しながら、大学へ戻って、その体験を理論立てて整理し、再び現場の土を踏むという好循環が、真の教員育成としてより一層効率的に機能している。

今回のボランティア学生のように真摯で熱心な学生には、様々な枠を超えて、ともに生徒の喜びや笑顔を追及していく心構えで連携していきたいと考えている。

■ボランティア学生のコメント・・・・・・・泉鳥取高校で教育ボランティアを始めてみて(和歌山大学 3回生)  

1. 取り組み開始のきっかけ

私は今までも小学校・中学校で教育ボランティアを行ってきた。それらの経験から子どもたちとどのようにかかわっていけばよいのかなどを学んできた。しかし、まだまだ子どもとの関わり方がうまくないことや生徒を細かく観察できていないところが自分の課題として考えられる。それらのことを少しでも身に付けていくためには、大学の勉強だけではなく学校現場で子どもたちと接することが必要である。そのために教育ボランティアに取り組もうと思った。また、高校の現場には行く機会がなかったので、今回のボランティアでは、高校の先生の仕事や高校生の雰囲気を見て学んでいきたいと思ったことも今回のボランティアを開始したきっかけである。

2. 実際にやってみて(現在の感想と今後の取り組みへの抱負)

今までの活動では、主に授業見学と部活動指導を行った。授業を見学させていただいて多くのことを学んだ。生徒の発言に対する反応・メリハリのつけ方など、とても勉強になっている。授業の内容については、とてもわかりやすい説明と内容に関する余談・背景などがしっかりしていて、とても、面白い授業である。おそらく、かなりの教材研究がおこなわれているのだろうと授業をみて感じている。これからも多くの授業を見て良いところはどんどん学んでいきたいと思う。自分の課題は、生徒とあまりコミュニケーションが取れていないことだと思っているので、生徒とコミュニケーションを取っていくために部活動、放課後学習会などに積極的に参加していき、多くの生徒とかかわっていきたい。また、自分はボランティアとして受け入れていただいている立場なので、その自覚を持ち迷惑のかからないようにしていかなければならない。言葉遣い・あいさつなど基本的な部分をしっかりしていきたい。自分は教師になるという自覚を持ち、教師にふさわしい言動を心掛けていきたい。