本日、防災訓練を実施しました。地震、また、その時に停電したと想定して訓練をしました。(階段に蓄光テープをはり、停電時の危険を少なくなるようにしています。)
放送を聞くまで、火事なのか、地震なのか先生方も状況は分からず、放送をしっかりと聞いて、生徒に指示をしていただきました。
その後、私のほうから次のような話をしました。
避難訓練の時に、よく、「お・は・し・も」に注意しなさいと言われます。押さない、走らない、しゃべらない、戻らないということです。これは、中学生までで、高校生ともなれば、一段上の事が要求されます。
みなさんは、「釜石の軌跡」を知っていますか。平成23年3月11日午後2時46分に、東日本大震災が発生しました。釜石東中学校の生徒達は、避難訓練で知っていた避難所へ走り出しました。近くの鵜住居小学校では、児童を3階に避難させようとしましたが、「津波が来るぞ」と叫びながら走っていく中学生を見て、先生方も小学生も一斉に高台へ走り出しました。小中学生は、めざしていた避難所に到着しましたが、そこも危険だと考えた中学生は、もっと高台への移動を提案し、さらに遠く離れた高台へ、小学生の手を引きながら移動しました。この直後、津波が到達し、最初の避難所は水没したそうです。さらに遠く高くに逃げていた小中学生は、全員が命拾いをしました。これは、防災意識の高い中学生の冷静な判断が、多くの命を間一髪で救いました。
布施高校のあたりは、幸い、津波は来ませんが、ハザードマップを見ると、大雨の時などには、内水氾濫が起こって、1mほどの高さまで浸水する可能性があるみたいです。その時には、2階以上に避難してください。
「釜石の軌跡」から、皆さんに学んでほしいことは、次の2つです。
①訓練でできないことは、本番でできないということです。 訓練である程度のイメージができて始めて、本番でどうすればいいかとっさの判断ができるようになるのです。災害が起こった時には、皆が行く方向が必ずしも安全とは限りません。何が起こっているか、状況を見極めて行動できるようにしてください。
②共助の精神を持ってほしいということです。釜石東中学校の生徒達は、自分の命を自分で守る行動をとりながら、小学生の手を離さずに逃げました。自分で自分を守ることを「自助」、お互いが相手を守ることを「共助」といいます。釜石東中学校の生徒達は、とっさに「自助、共助」を行っています。高校生ともなれば、社会においては、ほぼ大人に近い存在です。地域全体を揺るがすような大きな災害に見舞われた時には、自分や家族の命を守った後、小さな子供やお年寄りに手を差し伸べてほしいと思います。