こんにちは!今回は2年生の数学Ⅰ標準クラスの授業の1シーンに迫ります。
さて、皆さんは「三角比」と聞くと、どんな印象を抱くでしょうか?
「なんかめんどくさそうだな...」、「難しそう...」、「なんのことかさっぱりわからん」
といった印象が多い単元です。しかし、この「三角比」は日常生活の様々な部分で活用され、私たちの生活には欠かせない存在です。
それらを知ってもらうために、活用されている1つの例である「測量」について、授業で取り扱いました。学校にある身近なもので「バスケットゴールの高さ」に注目し、その高さを測ることにしました。1回の授業ではさすがに難しいため、3回の授業を使いました。
生徒たちは事前に下のような問題を解き、高さを測ることが難しいものでも、対象物までの距離、目線の高さ、見上げたときの角度が分かれば、高さを測ることができることを知りました。
1.カクシリキを作る!
まず、見上げたときの角度を測る道具「カクシリキ」(下の画像)を作るところから始まります。
普段の数学の授業と違い、ものを作る作業がメインの授業ということもあり、生徒たちはそれぞれ思い思いカクシリキを作り上げていきます。厚紙と紙が平行になるように微調整したり、糸の長さをちょうど良くなるように調整して、ゆっくり丁寧に作業する生徒が多くいました。
途中で作り方がわからなくなった人は同じグループ内で協力しながら作る姿が見受けられました。
この日はこのカクシリキを作るのがメインの授業となり、測量は次の授業に挑戦することとなりました。
2.時計の高さは何m?
次の授業では自分たちで作ったカクシリキを使う練習です!教室にある時計の高さをカクシリキ(角度)とテープ(横の距離)を調べて求めます!目線の高さも保健室にある身長計を借りて、それぞれの身長に合わせて計算できるようにしました。
担当教員の測る方法を聞き、グループごとに測量していきます。
角度を求めるときは、もう1人が角度を読み上げる必要があり、ひもが止まるまで姿勢を維持するのが大変ながらも頑張って角度を求めていました。
横の長さは古典的ですが、テープをメジャーを使って求めることで長さを測ることができました。
今回は、高さを求めた後に、各グループで求めた時計の高さを比較してもらい、精度を高めるためにはどうするか?ということを相談してもらい、本番のバスケットゴールの高さを求めるための準備をしてもらいました。
3.バスケットゴールの高さは何m?
年内最後の授業で最終目標であるバスケットゴールの高さを求めることになります。
まず、前回の授業での精度を高めるために必要な要素を全体で共有します。角度の測り方をもっと上げることができるのではないか?という部分に注目し、そのコツを教わったあとに体育館に移動して、スリーポイントラインからリングの高さを測りました。
測り終わった後、教室に戻ってバスケットゴールの高さを算出します。
各グループが高さを求め、実際の高さである3.05mと聞き、生徒は驚きます。
「めちゃくちゃズレてるんだけど!」、「ほぼ合ってる!!」
など、うまくいった人やズレが大きい人がいましたが、実際の高さと自分たちの求めた高さを比較して、測量できたことを喜んでいる印象でした。(3.04mや3.06mなどほぼ正確に測れた人がいたのは担当教員も驚きです!)
うまくいった人、うまくいかなかった人それぞれの視点で実際の高さにより近づけるためにはどうすれば良いかをグループで話し合ってもらい、最後にGoogleスライドを使って、全体共有して今回の授業は終わりとなりました。
4.最後に
今回は数学Ⅰの「三角比」という単元の中で、日常生活に潜む数学について触れる機会となりました。数学という科目の特性上、難しいイメージや役に立たなさそうなイメージがある中で、自分たちの力と数学の知識を使って、高さを求められたという経験で、数学が自分たちの身近な生活の中で役に立っているんだと実感することができたと思います。
今回をきっかけにして、数学の楽しさや奥深さを知ってもらえたら良いなと思います。