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2019/1/19 ◆平成30年度◆第3回泉鳥取高校学校運営協議会

去る1月18日、本年度最後、第3回の学校運営協議会を開催した。今年度の振り返りや次年度への提言等について、積極的な話し合いが予定の時間を越えて活発に行われた。

◆学校運営協議会 次第

日 時:平成31年1月18日(金)15:00~17:00

  〔 校 長 室 〕打合せ 14時45分~14時55分

1.学校長 挨拶

       2.本日の時程及び協議内容について(確認)

 〔 会 議 室 〕協議会 15時00分~17時00分

1.  報告事項 〔司会:近西教頭〕

(1)進路指導状況について・・・・・・・・進路指導部長

(2)学校の近況等の報告

〇全体(イズトリだより等)・・・・・近西教頭

〇各部・・・・・・・・・・・・・・各部担当部長

     ・生活指導  ・教務  ・人権 等

(3)学校教育自己診断について・・・・・・橋本教頭

(4) 今年度学校経営の振り返り(経営計画の反省等)

                   ・・・・・・・・・峯近校長

2.  協議事項〔司会:運営協議会 比嘉会長〕

(1)次年度へ向けて(経営計画の骨子や案について)

   次年度への提言他

(2)本日のまとめ

〔議事録〕

1. 報告事項

(1)進路指導状況(進路指導部:永野教諭)  ※参照資料:「平成30年度 卒業予定者 進路状況」

  ◆就職状況:

   就職者計85名(学校紹介就職75名 /縁故・自己就職10名)。今年度は600件を超える求人があり、生徒にとって選びやすい状況であった。しかし内定率は昨年度より伸びなかった。不合格の主な理由は、学力とコミュニケーション力不足であると考えられる。これを踏まえて引き続き指導していきたい。

  ◆進学状況:

進学者計100名(大学15名 / 短大19名 / 専門学校等66名)。進学希望者に対しては、まずAO入試を受験するよう指導している。続いて、指定校推薦での受験を薦めている。昨年度、数年ぶりに看護学校の受験において正看の合格者を出したが、今年度も2名合格した。准看も2名合格している。

  ◆進路指導内容:

年間スケジュールに基づき、7時間目という設定で、説明会の実施や就職模擬面接等の進路指導を行っている。生徒一人一人に向き合い、時間をかけて指導するようにしており、その成果が進路状況にも表れてきている。今年度の新しい施策としては、次の2点である。

・外部講師を招いて第4回目の就職模擬面接指導を行った。

・各学校から講師を招き、進学者向け説明ガイダンスを行った。

(2)学校の近況報告

◆全体(近西教頭)  ※参照資料:「2018イズトリだより12月号・1月号」

"イズトリが変わる"というフレーズが記載されているが、どのように変わるのかを、具体例を挙げて説明(海外修学旅行、イズトリスタンダード、教育環境の整備)。11月の全国アマモサミットでは、生徒が、司会や報告を行った。続いて、第2回学校運営協議会以降の実施事項を説明(第3&4回English Café、和歌山大学施設見学、警察とタイアップしての防犯ボランティア活動)。また、12月のオープンスクールでは、新しい制服を紹介した。

◆各部

①生活指導部(生活指導部長:北岸教諭)

  現在、生徒は全体的には落ち着いてきている。入試の競争率が生徒の状況に影響しているように見受けられる。1年生の懲戒件数が昨年より多かったが、3学期に入り落ち着いてきた。遅刻・欠席の件数は例年並みで、生活指導の状況は例年とあまり変わらない。

②人権委員会(人権委員会委員長:吉田教諭)  

※参照資料:「新学習指導要領に関する道徳教育の導入について」

本校では、HRの時間に次のテーマで学年毎に人権教育を行っている。

1年次:いじめ・いのち

2年次:外国人の人権・携帯スマホとの付き合い方

3年次:就職差別(近畿統一応募用紙を用いて)・デートDV

今年度の変更点として、デートDVの教材を、携帯・スマホに絡んだ内容にする等、現在の状況に合ったものに一新した。新学習指導要領では、高校での道徳教育の充実が求められる。本校では、人権推進委員会長が「道徳教育推進教師」を務め、カリキュラム編成時には、道徳教育を公民科の科目等と関連づけていこうと考えている。

③教務部(教務部長:宮崎教諭)  ※参照資料:「H30年度自己診断分析(教務部)」

  学校教育自己診断アンケートから、教務に関する項目を抜粋して、資料を作成している。  

◆生徒

授業については、「わかりやすさ(No.1)」「先生の工夫(No.2)」ともに6~7割近い肯定的評価を、ここ数年得ており安定してきた。しかし、「自分の学力の向上の実感(No.3)」については、6割に満たない。

  ◆保護者

  授業について、「わかりやすさ(No.1)」は生徒の評価と比べ、肯定的評価が少ない。「基礎学力の向上(No.2)」についても、低い評価となっている。「学習の評価(No.3)」については、生徒と同じく肯定的評価が高い数値で安定している。全体的に見て、生徒と比べて保護者アンケートでは肯定的評価が少ない。これは、生徒を介しているため、保護者に生徒の実感が伝わりにくい事も理由の一つと思われる。

  

(3)学校教育自己診断アンケート(橋本教頭) ※参照資料:「H30学校教育自己診断アンケート」

  ◆全体的な傾向

    ・肯定的な答え(A)の割合が、生徒と保護者は減っているが、教員は増えている。

  ◆生徒

    ・Aが上昇しているもの:質問No.9,13,16,17,20,21,22          昨年度 今年度

     上記のうち、学校経営計画において目標値を設定しているもの:

No.9(進路を考える機会)   63% → 68.1.%

                          No.13(悩みの相談できる先生)60% → 62.7%

  No.22(部活動への取組み) 46% → 50.4%

  ◆保護者

    ・Aが上昇しているもの:質問No.5,7,8,10,11,12,13,14,15,19,22,26,27

・Aが大きく下降しているもの:質問No.17(生活指導方針への共感)      50% → 41.9%

  ◆教員

    ・ほとんどの質問項目について、Aが上昇している。

     そのうち、大きく上昇しているもの:質問No.9(ICTの利用) 37% →68.9%

今年度、各HR教室にプロジェクタが設置されたため、と考えられる。

・Aが下降しているもの:No.16(研究授業の定期的な実施)

学校経営計画にて75%の目標値を定めていたが、達成できていない     11% →6.7%

  ◆その他

    ・アンケート結果と実際の数値に乖離が見受けられるものがある。

     (例示)

      生徒アンケート質問No.19(普段から遅刻しないように心掛けている。)  84% → 79.9%

   1月中旬までの遅刻数の累計                     5220件→5030件

        ※遅刻しないよう心掛けている生徒は減っているが、実際の遅刻数は減っている。

   以上、アンケート結果をさらに分析して、次年度の学校経営計画に反映させたい。

(4)ベネッセ:基礎力診断テスト結果の報告(ベネッセ小野様)※参照資料あり

  今年度より、1年生に対して、長期休み明けに「基礎力診断テスト」を実施している。「先生への信頼」や「授業の分かりやすさ」については、数値として顕著に結果が出ているが、学力向上の実感には結びついていない生徒が多く存在しているようである。理想的な生徒のマインドは「授業が楽しい」と思える事が肝となる。教員の業務量が多く、多忙な様子が見受けられるので、業務を外注してタスク量を減らし、その分授業準備に時間をかける等のしかけが必要ではないだろうか。

 学力層の幅が広く、どの層の生徒に照準をあてて授業をしていくかを定めるのが難しい。生徒それぞれの学力を向上させるには個々の学習が必要になってくるが、基礎力診断テストに付随の個別の動画学習を利用するのも、一つの手段となり得る。

(5)報告を受けて(峯近校長)

    学校教育自己診断アンケート結果をさらに分析をした上で、次年度の学校経営計画に反映させていきたいと考えている。協議委員の皆さまにも、ぜひその経営計画に対して提言をいただきたい。基本的には、生きる力・想像力を持った生徒の育成、豊かな人間性、確かな学力を柱に、これからの社会で通用する人材の育成に結び付けていきたい。

(6)報告事項に対する質疑  ※ 協 協議委員の方からのご意見及びご質問 / A:本校からの回答

 ◇ 協:生徒の進路指導状況は、どのようにして生徒や保護者に伝えているのか。

   → A:PTA新聞に掲載したり、生徒に配布する「進路の手引き」に詳細を載せたりしている。

   → 協:進路状況は、業種・業態等、分野別等で示した方が、わかりやすいのではないだろうか。

   → A:ありがとうございます。「進路の手引き」では、分野別に記載している。

 ◇ 協:就職が決まらない生徒に対して、どのようにフォローしているのか。

   → A:9月に解禁される1次から2次へと、就職が決まらない生徒に対して個別に対応している。

ハローワークに連れていき、相談を受けたりしている。

   → 協:それでも就職が決まらずに卒業していく生徒はどれぐらいいるのか。

   → A:フリーターを望む生徒もいる。1年次より正社員を目指させるために進路指導を行っている。

 

 ◇ 協:生活指導の報告で言及された中学と高校の違いとは?高校での指導内容とは?

   → A:高校では停学という処分があるので、これを経験する事によって生徒の意識も変わってくる。

   → 協:中学校では懲戒処分はないが、法に触れる事件を起こした生徒に対しては、学校内のみではなく警察に対応してもらうという風潮が中学校で広まってきている。

 ◇ 協:進路の報告で、就職で内定が取れない理由の一つに「コミュニケーション力不足」が挙げられていたが、学校教育自己診断アンケートの項目にコミュニケーション能力に関するものがない。中学校では、「自分の意見を書こう、伝えよう」と授業でコミュニケーション能力を向上させるように努めている。高校ではどのような事を行っているか。

   → A:アンケートに項目はないが、重要視している。地域交流等の機会を通じて、コミュニケーション能力の向上を図っている。

   → A:1年生のHR教室に本を配布している。自分で本を読むことから始めて、次年度に向けての目標ではあるが、朝のプレゼン等で自分の意見を発表する事につなげていければ、と考えている。

◇ 協:アンケートについて提言をしたい。アンケ―トでは、設問の設定や分析の方法が重要となる。例えば、子どもの特性(例:生活習慣が身についているか/塾に行っているか等)に応じた質問設定・分析にしていかないと、アンケートにかける労力に対して、意味のある分析結果を得る事ができないように思う。アンケートの分析についても、数の大小ではなく、"なぜそうなのか"、"なぜそうなっていないのか"を分析する必要がある。教員アンケートの"そうは思わない"と回答している教員についても、根本的に考え方が違っている事も考えられるし、そう思っていなくても解決策を持っている教員もおられるかもしれない。また、コミュニケーション能力や学力の三要素に関する質問項目が抜けているものもあるので、質問をよく考えて設定しなければならない。"何が課題なのかをあぶり出す"、"こういう事をやりたい。その方法をあぶり出す"等、アンケートの目的を明確にして行わなければならない。

2. 協議事項(司会 / 会長:比嘉様)

(1)次年度に向けて※参照資料:大阪府立泉鳥取高等学校における平成31年度の取組みに向けて(提言案)

  ◆資料の内容確認(比嘉様)

   「創造力を育む学校」を目指し、4つの項目を挙げて教育活動を行っている。「イズトリが変わり、イズトリで変わり、イズトリが変える」をモットーに基づき、重点項目が記載されている。

   ◇ 協:"1~4の項目に対してどのように対応していくのか"が分かりにくいので、書き方に工夫が必要だ。"抽象的な言葉から具体的な実践へ"と、書き方を変えた方が分かりやすい。

     → A:項目を整理しきれていないものがある。学校経営計画を作成する際には、書き方を工夫したい。

◇ 協:キャリア教育を行うには、人間的な力量を育てていかなければならない。そのためには、道徳教育が必要となる。神奈川県での障がい者施設での事件では、事件を肯定する意見が多くあり、従来の人権教育の意義を疑問視する声があがっている。社会福祉協議会としては、学校と一緒に人権教育の在り方を考えていきたい。

     → 協:人権教育については、大学でも同じような状況にある。ぜひ一緒に考えて人権教育を進めて

いきたい。

◇ 協:中学校でも道徳教育が課題となっている。人権教育と道徳教育は根本的に異なる。道徳教育は"こう  あるべき""こうしなさい"という従来の教え方ではなく、"こういう方法もあるよ""こういう考え方もあるよ"と子ども達に考えさせるように、もっていかなければならないと考えている。人権教育としては、"こうあるべき"もしっかり教えていかなければならない。なので、両者の兼ね合いが難しく、どう進めていくべきか悩んでいる。今後ともお互いに情報を共有しながら道徳教育を進めていきたい。

     → 協:国からも道徳教育の推進がおりてきているが、現場の人間からすると、どう道徳教育を進めていくか悩ましい所がある。ぜひ連携してやっていただきたい。

  

◇ 協:大阪観光大学では、ゼミではなくスタジオ(一人の先生が1年~4年生を担当)という制度がある。担当している学生に本校の卒業性がいるのだが、名乗る時に必ず"イズトリの〇〇です"と言う事に感心している。母校に誇りを持っているという証ではないだろうか。大学を卒業して就職先で"大阪観光大学の〇〇です"と名乗る学生を育てるにはどうしたらいいかを知りたい。

    → 協:勤めている大学でも、母校を名乗る学生はいない。母校に誇りをもつという事も大切な道徳教育である。その教育が本校では出来ているという事ではないだろうか。

  ◇ 協:アンケ―トについて、先生方の業務量を考えると、データの分析等をベネッセさん等の外部に委託してはどうか。子どもの学力についても、"どの程度学力がついているのか""どう変化しているのか"を親としては知りたい。学力把握も外部に委託してもいいのでは。

遅刻のアンケートの数値については、実際の遅刻の数が減っているという数値の方を私は信じる。

提言案について、実際にどうしていくのかを書いてもらいたい。働いていて感じるのは、学力よりもコミュニケーション能力。では、そのコミュニケーション能力をどのようにして身に付けさせるのか、を示してもらいたい。"継続して働ける人材を育てる"事が大切なのではないだろうか。

    → 協:校長先生が"社会で通用する人間を育てたい"とおっしゃられた通り、高校ではコミュニケーション能力をつけて継続的に働ける人間を育てていかなければならない。具体的にどうやってその力をつけられるかを書き示した方が、より説得力があると思われる。

アンケートについては、高校生になると子どもと会話する時間も少なくなる状況で、保護者の方もアンケートに答えづらいのでは。回収率が低くなる理由も理解できる。そのアンケート結果に基づいて、"保護者の方はこう思っている"と結論付けるのも難しい。

◇ 協:コミュニケ―ション能力についてだが、次のように段階的に私は考えている。

     1.あいさつ:相手にアクセスする

     2.自分の意志を伝える

     3.相手を理解する

     4.周りの状況が分かり、その中での相手と自分を理解する

     5.社会の規範を理解した上で、社会とコミュニケーションできる

    アンケ―トの質問項目に、コミュニケーション能力に関するものがなかったが、皆さんも重要されているように、軸となりうるのでは。国が求めるグローバル教育の柱の一つがコミュニケーション能力である。

→ 協:企業が求める力の20項目のうち、一番目はコミュニケーション能力である。その中でも私は、"人の話を聞く"事が大事だと考えている。卒業生が母校を言って名乗るのも素晴らしい事である。これをさらに進めて、本校においてコミュニケーション能力を核にしていけたらいいのではないだろうか。

→ 協:授業の中でコミュニケーション能力を上げるのはとても難しい。教科書がコミュニケーションを阻害してしまっていると私は考えている。私のスタジオでは10人の生徒がいるが、生徒が言い出すまで私は何もしない。唯一させるのがお茶を入れる事で、それを率先してやってくれるのが本校の卒業生達だ。学校の授業の中でコミュニケーション能力を伸ばすには、どうようにしたらいいのだろうか。

→ 協:先日のテレビで日比谷高校の授業が取り上げられていた。授業では、生徒が生徒を教えており、先生はそれを見守っていた。全校をあげて演劇もやっていた。

→ 協:大阪で、三者面談の際に、生徒が教員と保護者に対して、"一年間にどれだけ成長したか"をプレゼンしている学校がある。

→ 協:プレゼンはコミュニケーションだろうか?

→ 協:プレゼンにおいて、相手(聴衆)を理解しながら話すのであれば、コミュニケーションと言えるのでは。

ラーニングピラミッドにおいて、教える事が一番学習効果がある。(ラーニングピラミッドの説明。)ラーニングピラミッドを参考にして、学力もコミュニケーション能力も伸ばしていけるのではないだろうか。

→ A:主体的・対話的で深い学びの中で生徒の能力を伸ばしていくよう提言いただいている、と理解している。

◇ 協:提言案の「4.自ら学び続ける教師集団の確立」について、具体的な案はあるのか。

  

   → A:教員も生徒と共に伸びていかなければならないと常々言っている。研修や授業見学等、様々な手段があるが、まずはその気持ちを持つことが大事である。生徒を伸ばしていくためには、自分も伸ばしていかなければならない。

   → 協:若手の先生から「この単元をどのように教えたらいいか分からない」等の悩みを聞く事があるのだが、横のつながりを持たせる組織作りも一つの手段となり得るのでは。

   → 協:組織づくりで大事なのは、"組織が豊かなソーシャルキャピタルを持てているか"と"組織の中で共生・サポート体制ができているか"である。アンケートを活用して、組織をマネージメントしていけばいいのでは。組織のマネージメントとは、目的があって、手段・手法がある。それを回していくのがマネージメントである。人材(資源)を使って、どういう目的に対して、どう実現していくのかを、校長先生を始めとしてお考えいただければいいのではないだろうか。

  → 協:アンケート結果で、研究授業の少なさが指摘されていたが、これは忙しすぎて出来ないのではないだろうか。教員の業務の軽減のために、業者を利用したり、大学生のスクールサポートを利用したりしてはどうだろうか。

  → 協:大阪観光大学でも、"学生を出身校に戻す"という事を行っている。部活動や国際交流等の場で、学生を派遣するので、ぜひ活用していただきたい。

 → 協:大学生の力を活用して、学力を上げたり、部活動の加入率が上がった実績のある学校がある。

◇ 協:本校の生徒が幼稚園に来て昔遊びをする機会があったのだが、生徒達は出来なかった事が出来るようになったり、突然のお願いに対応できたり、短時間で成長していた。協議委員としてこの場に来ているので本校に親近感を持っている。事業者との連携という話もあったが、先生方のコミュニケーション能力を育てたいという思いを伝えてもらったら、お互いに協力できるのでは。

実習に来た卒業生が、"イズトリの先生はよく話を聞いてくれる"と言っているのを聞いて、素晴らしいなと思った。

◇ 協:「コミュニケーション能力や学力不足で就職ができない」との事だったが、今までの話を聞いていると、それは一部の生徒なのではないだろうか。企業としては、学力もコミュニケーション能力もあった方がいい。授業以外で、幼稚園や小学校、高齢者との交流等、学外に出て、幅広い年齢層の人とコミュニケーション能力を育む様々な機会を生徒に設けてあげてほしい。

◇ 協:外で高い評価を得ているので、校長先生を始めとして先生方には自信を持っていただきたい。

     授業にゲストを招くと、また違った雰囲気ができて効果的である。周りの人を巻き込んで授業をしていけばいいのではないだろうか。

◇ A:現在、授業見学をしているのだが、"漫画のコマ割が分かりにくく読みづらい"と言っている生徒がいた。読める力を伸ばしていきたい。

ある授業で、教員が、よく分かっている生徒に一番できない生徒を教えさせていた。また黒板に立って生徒に説明させていたのだが、その生徒がとてもいい表情をしていた。そのように工夫して授業を行っている教員もいる。

■最後に

協議会会長比嘉先生より、まとめていただいた。

【本日のまとめ】

 ◆学外で本校が高い評価を得ている事を、生徒に伝えて褒めてあげてもらいたい。

 ◆コミュニケーション能力を伸ばすための具体的な取組みを考えてもらいたい。

◆多忙な教員、研究授業の少なさ等が指摘されていたが、人材をうまく活用できるよう、組織作りについて校長先生を始めとして考えていただきたい。

また、これらの提言を参考にして学校経営計画を作成してもらいたい。

議事録の内容を整理するとともに、次年度の学校経営計画にまとめ、全教職員で共有して、本校のこれからの経営・運営の指針としていきたい。

  

以上

また、提言については以下のようにまとめていただいた。

〔大阪府立泉鳥取高等学校における平成31年度の取組みに向けて(提言)

1/18学校運営協議会                                                 

泉鳥取高校は、平成29年度の提言に基づき、平成30年度は生徒の持てる力や可能性を最大限伸ばす「創造力を育む学校」をめざしてきた。具体的には、

1.地域やグローバルな世界を『たくましく生き抜く力』の基となる「豊かな人間性」の涵養

2.地域やグローバルな世界を『たくましく生き抜く力』の基となる「確かな学力」の定着

3.将来の生き方をデザインし、自ら学び続けることができる生徒の育成

4.自ら学び続ける教師集団の確立

を掲げて、今年度も積極的な教育活動に取り組んでいる。

特に、「①「豊かな人間性」の涵養 ②「確かな学力」の定着」は車の両輪であり、生徒支援と地域連携を念頭においた「ハート偏差値日本一」、また、「阪南市全体をキャンパス」に見立て自己肯定感の育成や地域連携の推進という大きな課題に取り組み学校改善に努めている。そして、本年度の第2回目の学校運営協議会における「魅力ある学校」についての意見まとめとなった、「イズトリが変わり、イズトリで変わり、イズトリが変える」を合言葉として次年度も学校改善、意識改革に取り組んでいただきたい。泉鳥取高校の教育環境はどんどん変わってきており、その環境のもと生徒が泉鳥取高校で成長(変化)し、身につけた力で社会に飛び出し社会を変えていってほしい。人工知能が進化し、若者の未来の職業が大きく変化していくと言われる中、本当にそのような変化が起きるのか、また、起きるとしても、人口知能にできない人間だけが成せる、より高次元でクリエイティブな仕事力とたくましさを身につけてほしい。そして、新しいスキルや知性を磨き、これまで以上に創造力を発揮して何かを生み出し時代を切り開いていくことができる「たくましく生き抜く力」、そのために必要な普通科高校の役割を全うし、進学を中心とし将来の進路を実現し、生徒一人ひとりの自己実現を図っていただきたい。

最後に、学校の真価を高め伝統を引き継ぐとともに、停滞を打破し進化していく学校、教育活動を常に見直し、深化・改善を求めてやまない学校をめざし、上記の「イズトリが変わり、イズトリで変わり、イズトリが変える」をモットーに、気概にあふれた教育活動への取り組みに邁進していただくことを期待し、以下の提言を行う。

1.地域やグローバルな世界を『たくましく生き抜く力』の基となる「豊かな人間性」の涵養 重点項目 

生徒たちが主体的に行事の計画立案・実施できる環境を整備し、達成感や自己肯定感・自尊感情(自己重要感)など豊かな心を育む取り組みを積極的に導入する。また、それらを指導できる教員の力量を高める。

(1)授業や行事における人間的な触れ合いや地域の教育的資源の積極的活用と地域貢献を図る。

(2)地元の幼・小・中学校、児童・生徒・教員との交流を図る。

(3)国際交流委員会の活用により、大学等との交流や海外修学旅行の実施等、関連行事の企画・実施を通じて豊かな国際感覚、グローバル教育の充実、コミュニケーション能力の向上に努める。

(4)部活動の活性化を図り、様々な活動の発表会等を企画実施する等、豊かな人間性の向上に努める。

(5)生徒の自主的活動や体験の場の充実に努め、豊かな心の育成に積極的に取り組む。

(6)計画的な教育活動による人権感覚の涵養、道徳やいじめ防止の教育の推進に取組む。

(7)生徒会を活性化し、生徒が主体的に行事の企画や実施を行えるようにする。

2.地域やグローバルな世界を『たくましく生き抜く力』の基となる「確かな学力」の定着 重点項目

「イングリッシュ・カフェ」などの地域連携企画を継続発展させ、学校・家庭・地域との連携・協働・活性化、小・中・大・専門学校・事業所・関係諸機関とのより一層の連携・協力を通じて効果的な教育活動を行い確かな学力の向上に努める。また、コミュニケーション能力の向上に努める。

(1)大学・専門学校等での授業体験や学生の教育ボランティアの導入などで効果的な学習に取り組める環境づくりと高大連携の推進を図る。

(2)インターンシップをより一層充実させるなど、職業指導やキャリア教育の推進を図る。

(3)様々なメディアを活用して教育力向上に努め、家庭・地域・小中学校等への積極的な発信に努める。

(4)カリキュラム・マネジメント、授業力の向上のための具体的組織づくりに取り組む。

(5)あらゆる科目において、生徒の「考える」「まとめる(統合)」「発表(発信)する」力等の生徒の学びの質の向上に取り組む。特に、授業時間の確保や探究、朝学習などの活性化に取組む。

3.将来の生き方をデザインし、自ら学び続けることができる生徒の育成 重点項目

キャリア教育の一環として、生徒一人ひとりが社会人・職業人として自立し、「夢・夢中・()(げん)(だい)!」をキャッチフレーズに学習・学校生活・進路実現に力を注ぎ、社会に貢献できる多様な人材の育成を図る。 

(1)生徒一人ひとりが意欲的に取り組める授業(わかる・聞かせる・自ら取組む)を行う。

(2)入学時から、学校全体で、生徒が夢と志を持ち卒業後の自身の生き方を考え、進路を選択し、それに向けた準備ができることをめざした組織的・計画的な進路指導に取り組む。

(3)他者と自分の両方を大切にし、自己肯定感を培い人間的な力量の向上に努める。

(4)日々の教室清掃、登下校における交通マナーの遵守など、日常の教育活動を通して、「あたりまえ」をあたりまえに行える生活感覚と行動力の涵養に取り組む。(良識を備えた生徒の育成)   

(5)「あいさつ」や「言葉づかい」といった社会的マナーを身につけさせ、面接指導や就職試験に向けた日常からの指導を進める。(充実した日常・学校生活)

(6)薬物乱用をはじめとする生徒たちの生命や安全を脅かす問題について、その正しい認識と防止に対して具体的な取り組みを行う。(生徒の生命・安全を守れる取り組み)

(7)資格取得(英検・漢検・その他の資格検定)に積極的に取り組む。

〔振返り〕

■協議会では、コミュニケーション能力の向上が大きな話題となった

■「学び続ける教師集団の確立」についても質問や提言があった