「歴史を変える」
長いようで短かった高校サッカーも、終わりの日が刻一刻と近づいている。明日から始まる選手権で僕は歴史を変えたい。
昨年の9月14日、僕たちは選手権で大敗した。自分はありがたいことにたくさんの試合に出場させてもらい、当日もフルタイムピッチに立たせてもらった。1つ学年が上の78期生のことを尊敬していたし、その先輩たちと長くプレーするために本気で練習を重ねてきた。しかしチームは負けてしまい、自分は練習してきたことの半分も出せず、何もできないまま大好きな先輩たちを引退させてしまった。その日から、来年の選手権ではチームを勝たせることが出来る選手になることを目標としてここまで進んできた。
いざ新チームが始動し、新キャプテンとして過ごした日々は、正直楽しさよりもしんどさが勝っていた。もともと全て1人で物事を解決しようとする良くない癖があり、あまり先生や他の幹部、同期に悩みを相談することができていなかったため、練習のたびに改善されない現状を1人で嘆いていた。その結果投げやりでやる気を起こさせないような声かけも増えてしまっていたと思う。先輩がいた頃は自分のプレーのことだけを考えていたため、ただひたすらに楽しかったサッカーが、「チームのために何かをしなければならない」という気持ちが強くなり、純粋にサッカーを楽しめていなかった。実際、「もう辞めようか」と1人でつぶやくこともあった。
今思い返せば、その頃の自分は大きな勘違いをしていたと思う。他人を動かす力や、ひたすら厳しく声をかける力といった、カリスマ的な能力を買われてキャプテンに任命してもらったわけではない。自分なりのキャプテン像—「他の人と同じことを他の人より意識高く直向きに頑張るキャプテン」という、自分に合ったスタイルを見つけ出すまでに長い時間がかかった。
新チームとしての初の公式戦である公立校大会では思ったような結果を残すことはできなかった。そんな中でも希望を見失わなかったのは、いつでも声を出し続け、プレーを褒め合い、最後にみんなで走るサッカー部での時間が好きだったからだ。「なぜこんなに走るのか」や「なぜこんなに声を出すのか」と考えたことはなかったが、深い意味を見出さずとも本気で頑張れるこの環境やチームメイトが、自分を成長させてくれたのだと強く思う。インターハイは今までよりも勝ち進むことができたこともあり、最高に楽しかった。あの舞台で叶わなかった「打倒強豪私立」という目標を、選手権で成し遂げることができたらより最高だろう。
僕はサッカーの能力が特別高いわけではなく、リーダーシップに優れているわけでもない。ここまでの文章を見て分かる通り、前キャプテンのように熱いメッセージを伝えることができるわけでもない。あるのはCP(キャプテン)という奇妙なあだ名だけだ。それでもこんな僕に付いてきてくれる同期や後輩がいるのなら、それに応えるために何があっても声を出し続け、チームを勝たせることを強く決意している。
79期は1年生の頃、積極性のなさについて顧問の先生に怒られて、それに対して全員が愚痴を言うようなどうしようもない学年だった。今も未熟なところは多々あるが、そんな僕たちにも3年間で培った良さはあるはずだ。その成長を証明する舞台にしよう。
最後に、僕らの活動を支えてくださったOB・OG並びに保護者の皆様。数多くのアドバイスをくださったY先生。1年生の頃から支えてくださったA先生。何度も親身になって相談に乗ってくださったS先生。頼りになる後輩。そして3年間苦しみも喜びも分かち合った同期のみんな。感謝してもしきれないが、この感謝は「結果」という形で伝えたいと思うし、そうするしか方法はない。現時点で僕たちがサッカー部に残せるものは結果だけだ。勝つことで自分たちがやってきたことが肯定される。そんな痺れる戦いを待っていた。
最後にもう一度述べるが、僕は歴史を変えたい。このチームならそれができると信じている。
「記録にも記憶にも残るチーム」になる時が来た。まだまだ僕たちの航海は終わらせない。
3年プレイヤーH
掲載:顧問佐藤