5月10日(金)大阪城東ロータリークラブの皆さまより、勤労生徒への表彰をしていただきました。
また卓話の機会をいただきその際にお話しさせていただきました内容を掲載させていただきます。
大阪府立定時制高校の課題とこれからのあり方について
大阪城東ロータリークラブの皆さま、いつも成城高等学校定時制の課程をご支援いただき、誠にありがとうございます。本日は「大阪府立定時制高校の課題とこれからのあり方について」という演題でお話をさせていただく機会をいただき、感謝しております。私自身は本年度で着任2年目となりますが引き続き、尽力してまいりますので、よろしくお願いいたします。近年は少子化の影響等もあり、定時制高校に通う生徒は減少してきています。本校では、平成22年度当初は230名の生徒が在籍していましたが、令和6年度は4学年合わせて44名の生徒を迎えて新学期のスタートとなりました。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響等もあり、中学校における不登校者数の急増や、さまざまな支援を要する生徒等の増加により、生徒・保護者のニーズが多様化し、これまでのシステムや取組みでは生徒支援において限界が生じている高校や、私立高校等授業料無償化制度の改正などの影響により志願者数が募集人員を満たしていない高校があります。また、通信制高校や日本語指導が必要な生徒選抜実施校については、募集人員を大きく上回る志願があります。夜間定時制の課程は、勤労青少年等のための学校という設置目的に加え、近年は不登校経験のある生徒や配慮を要する生徒、全日制の課程から編入学や転入学をした生徒、一度社会に出た後に夜間中学校等で学び直しをした生徒など、多様な動機や学修歴を持つ生徒を受けとめる学校として、引き続き重要な役割を果たしています。志願者数の減少等により、少人数での学級運営となっていますが、様々な課題を抱える生徒が通学している夜間定時制の課程において、生徒のニーズにしっかりと対応し、個別最適化を追求できるメリットは大きい状況です。なお、夜間定時制の課程は、多様な動機や学修歴を持つ生徒が在籍しており、また、授業終了時刻が遅くなることから、帰宅するための交通手段が全くなくなることがないように、学校の配置については慎重に検討されています。
このように、私たち大阪府立高校が直面している課題はたいへん大きいものです。大阪府立高校は、若者たちが大阪の未来に向けて才能を育成する場所です。しかし、コロナ禍後、子どもたちの教育環境や価値観は急激な速度で変化し、その対応が求められています。大阪市城東区の地域に学ぶ在校生たち、そして成城高校で学んだことを誇りとして社会へ一歩踏み出していけることを、大阪城東ロータリークラブのみなさまにもご支援をいただけたら大変ありがたく存じます。今後とも本校の教育活動へのご協力をよろしくお願いいたします。