大阪城東ロータリークラブ勤労生徒表彰

1.png5月12日(金)大阪城東ロータリークラブの皆さまより、勤労生徒への表彰をしていただきました。

また卓話の機会をいただきその際にお話しさせていただきました内容を掲載させていただきます。

「本校の現状とコロナ禍後の学校現場について」

 大阪城東ロータリークラブの皆さま、こんにちは、大阪府立成城高等学校定時制の課程准校長の大見でございます。本日は勤労学生表彰にお招きいただき誠にありがとうございます。また、平素は大阪府立成城高等学校定時制の課程をご支援・ご指導いただき、誠にありがとうございます。本日は「本校の現状とコロナ禍後の学校現場について」という演題でお話をさせていただく機会をいただき、感謝しております。

さて、本校は大阪府立高校としては8番目の工業高等学校として、1959年に大阪府立成城工業高等学校の名称で開校いたしました。当初は全日制課程のみでしたが、定時制の課程は、昭和38年(1963)4月に開校いたしました。その後、平成17年4月に全日制課程とともに多部制単位制総合学科に変わり、校名も成城高等学校多部制単位制Ⅲ部と変更いたしました。そして、平成24年4月からは現在の定時制の課程総合学科として新たなスタートをしております。

 高等学校の定時制通信制課程の教育は、昭和23 年(1948)に設けられた学校教育法の制定時から始まっておりますが、定時制の課程で学ぶ生徒の姿は大きく変化してきました。定時制高校は開校当時、勤労生徒に学習の機会を保障するという役割のもと、多くの勤労生徒が学んでいましたが、近年では小学校や中学校に通えなくなった生徒や、悩みのある生徒、日本語指導を必要とする外国籍の生徒、全日制課程から転学してくる生徒など、さまざまな背景をもった生徒たちが多く在籍するようになりました。

このような生徒一人ひとりの背景や課題に十分配慮しながら、生徒たちの「生きる力」を育むとともに、学びのセーフティーネットとしての役割を果たしていくことが、定時制高校の重要な役割に変わってきております。

 近年は少子化の影響等もあり、定時制高校に通う生徒は大幅に減少してきております。本校では、平成22年度当初は230名の生徒が在籍していましたが、本年、令和5年度は新入生17名を迎え、4学年合わせて58名の生徒での新年度のスタートとなりました。各学年のクラス数もそれぞれ1クラスとなります。しかし、生徒数が少なくなったからこそできることが多くあります。それは全教員が全生徒の名前と顔を覚え、たとえ授業で教えていなくても生徒たちの学力や抱えている課題を共有し、そして、教員が一体となって生徒たちの指導にあたる体制をとることができるようになりました。

生徒たちに必要な学力の定着と、豊かな心をはぐくみ、将来を生き抜く力を身に付けてもらうために、我々、成城高校の教員は、生徒支援の取り組みを充実させながら、生徒の長所を伸ばし、自尊感情を育む教育活動を進めております。

さて、5月8日に猛威を奮った新型コロナウイルス感染症の分類が「5類」に移行し、これまで通りの日常がもどりつつあります。授業や行事、そして部活動など再開に向け教員は新たに予定し、生徒たちは楽しみにしています。

新型コロナウイルス感染症の教育への影響は本校だけでなく学校現場に様々な変化を起こしました。大阪府ではGIGAスクール構想のもと、1人1台端末やオンライン授業を導入しました。

オンライン授業は、学生たちが学校に行かずに自宅から学習できるため、感染拡大を防ぐことができます。また、ICTの恩恵を活用することで、授業のコンテンツを動画や音声などの多様な形式で提供し、学習内容をより理解しやすく改善したり、保存したりすることができます。

次に、学習支援ツールを活用することができます。例えば、オンラインの問題集や模擬試験、学習アプリなどを活用することで、自宅での学習をサポートや管理することができます。また、オンラインでの学習は、時間や場所の制約を受けずに学習することができるため、より柔軟な学習環境を提供することができます。

またICTを活用することで、教師と生徒のコミュニケーションを促進することができます。例えば、オンライン授業等においては、生徒たちがチャット機能を使って質問やコメントを送ることができ、教師もリアルタイムに生徒たちの反応を確認することができます。また、ビデオ会議システムを活用することで、教師と生徒たちがオンライン上で会話をすることができるため、より密接なコミュニケーションができます。

新型コロナウイルス感染症の影響を受けた学校現場において、ICTを活用することで、学習環境の改善や教育の質の向上など、多くの恩恵が生まれ促進されました。これらの状況は、ICTを活用することで時間や空間の隔たりをなくし、定時制の課程で学ぶさまざまな背景をもった生徒たちに、新たな学びのスタイルを提供することができるようになり、定時制高校の新たなステージが始まっていると考えています。

それでは、最後に、このたびこのような機会をいただいて、歴史をさかのぼってみますと、昭和49年(1974)の9月に、大阪城東ロータリークラブの皆さまによる本校の勤労生徒への第1回の表彰が行われたとの記録が残っておりました。われわれもこのように地域のみなさまとの関わりを長く継続できることへの喜びを感じております。今後とも本校への教育活動にご理解賜り、定時制の課程に学ぶ生徒たちへのご支援・ご指導をどうぞよろしくお願いいたします。

本日は誠にありがとうございました。