卒業式式辞

厳しい冬の寒さも日ごとに寒さもやわらぎ春のおとずれを感じるこの佳き日に、大阪府立成城高等学校

定時制の課程 第15回卒業証書授与式を挙行できますことを、たいへんうれしく思います。

卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。

保護者のみなさま、本日はまことにおめでとうございます。

卒業生のみなさん、本校での学びがはじまった日から今日ここに至るまであきらめずによく頑張りまし

たね。  

高校での高校生活はさまざまなことがあったと思います。特にこの2年間は、新型コロナウイルスの影

響でマスクの着用など感染対策を講じながらの学校生活となり、いろいろな制限もありました。しか

し、ここまで努力を続け、卒業を手にしたみなさんを誇りに思い、心よりお祝い申しあげます。

このようなコロナ禍のなか、人とのつながりの大切さをこれほどまでに感じたこともなかったのではな

いでしょうか。

見えないウイルスに対し、不安を感じたことと思います。しかし、学校に来て友だちの顔をみたとき、

先生の授業を受けたとき、ホッとした気持ちにもなったのではないでしょうか。学校は学びの場であり

ますが、人とのつながりを改めて確認することのできる場でもあったと思います。今日の卒業を手にし

たみなさんは自身のがんばりはもちろんですが、保護者のみなさま、担任の先生方など、まわりの方々

の励ましや支えがなくてはたどり着けなかったと思います。そのことにも思いを寄せ、感謝の気持ちを

もってください。

卒業生のみなさんはこれからそれぞれの道に進まれますが、未来にはばたく希望と同時に不安や緊張も

持ち合わせていることでしょう。

そこで心がけてほしいことがあります。

ひとつは「知的好奇心を持ち続けること」です。知的好奇心は今の自分を一歩前に進めてくれる力とな

ります。自分の好きなこと、得意なことに限らずいろんなことに好奇心をもってください。そこには思

いもよらないヒントが隠れていると思います。そこから新しい発見や発想がさらなる好奇心を生むこと

になります。

二つめは「失敗は成功のもと」という言葉の通り、何事も失敗を恐れずチャレンジしてください。今ま

でのやり方とか、決まった習慣だけでは対応できない世の中になっています。当たり前だった常識が覆

されることがこれからもじゅうぶん起こりえます。今まで通りでは社会の変化についていけません。常

に意欲をもってチャレンジしてください。

人生は希望に満ちた日もあれば厳しい風が吹いてくる日もあります。自分の思い通りにならないことの

ほうが多いかもしれません。自分の中の弱い心、狭い心、妬む心、人を見下げるような心に負けず、自

分の心を磨いてください。人の痛みに気づき、自分なりに精一杯やれることをやれば良いのです。

ここにいる11名の卒業生のみなさんが、それぞれの夢に向かって勇気をもって人生を歩まれることを

心より祈念します。

最後になりましたが、保護者の皆さまにおかれましては、入学以来、本校の教育活動にご理解とご協力

を賜りました。今日、こうしてお子様のご卒業を迎えられ、これまでのご苦労を振り返られながら、成

長された凛々しい姿に、喜びを噛み締めておられることと存じます。改めて心よりお慶び申しあげま

す。

また、本日、新型コロナウイルス感染防止の対応で、来賓のご臨席はお控えいただき、国歌は清聴いた

だくなどの対策を講じた卒業式となりました。ご理解とご協力を賜っておりますことにも感謝申しあげ

ます。

以上、わたしからの式辞といたします。

令和4年2月28日  

大阪府立成城高等学校 定時制の課程 

准校長 大川 賢司