爽快な秋晴れの下、大成功をおさめた「大阪マラソン2015」ですが、実はその準備の段階に、府立支援学校の生徒たちが参画してます。
具体的には、大会直前2日間に受付ランナー3万2千人に配布される「大会パンフ・冊子、スポンサーのチラシ等の16種類」を組み、「EXPOセット」としてビニール袋に封入する作業を、一般のボランティアに混じって府立支援学校の高等部の生徒が手伝っているのです。
ランナーに配布する16種類をセット
参加者全員にいただいたボランティアスタッフジャンパー
2013(平成25年)大阪マラソン組織委員会事務局のスタッフの発案に、府立支援学校校長会が賛同する形で、このボランティア活動が始まりました。今年で3回目を迎えるこの取り組みに、「支援される側から支援する側へ」を合言葉に、本校も応募しました。
本校の生徒にとっては、ボランティア活動に参加することは社会参加の意義と共に、大きな自己肯定感を育むチャンスだと考えるからです。
10月22日(木)、この1日を「職場体験実習」の取り組みに位置づけ、第1期生本校の32人が参加しました。初経験の通勤ラッシュにもまれながら京阪京橋駅7:45に待ち合わせで教員もドキドキしましたが、自宅から集合場所への経路確認を、ご家庭が協力して土日などに事前に指導してくださった結果、全員が無事揃い、引率教員と共に「インテックス大阪」にむかい9:30~15:30まで活動しました。
当日は、他にとりかい高等支援・茨木支援・吹田支援・摂津支援の4校の支援学校から122人の生徒の参加があり、教員を含め総計157人が学校ごとにレーンを組んで作業にあたりました。別レーンでは181人の一般ボランティアの方も作業されていたのですが、「チーム支援学校」には、一昨年度・昨年度とこれまでの正確で誠実な働きぶりが事務局からも大いに評価されているのか、12600セットの資材がノルマとして準備されていました。しかし、明日からはランナー受付です。失敗ややり残しは許されないという良い緊張感が教員や生徒を包みます。
本校生徒にとっては、校内ではまだ経験していない長時間の立作業でありましたが、スポンサーから頂いたボランティアスタッフジャンパーとキャップに身を包み、時々「棒になった足」を回しながらも、集中して5時間の作業に没頭していました。初めてのボランティア本校実績は、2600セット組み完了ということで、1年生ながら「チーム支援学校」のノルマ達成に貢献しました。
数年先に迫った東京オリンピック、パラリンピックの開催準備が日本で進められていますが、残念ながら知的障がいのある人が出場権を得られる種目はまだまだ多くないと感じています。せめてパラリンピックに全国の特別支援学校の生徒が何かの形で参画できないか。このボランティア参加が、次はそんなところへつながっていって欲しいと願っている今日この頃です。