6月ごろから校内のあちこちで動きが始まり、暑い夏休みの間にも誰かが来て準備をし、9月になると天が皆をやきもきさせ、照準を合わせてきた9月8日も運動場のコンディション不良で中止。天気予報も傘マークばかりが連なる様子に、どうなるんだろう、とか、生徒のみなさんのこの緊張感をつないでいけるのか、などといろんな思いが巡りましたが、みなの思いが通じたのか、この9月10日、学校に来ると校舎が映える青空。運動場もなんとかいけそう、と実施を決めました。

9月8日の朝7時、すでにたくさんお越しになっていたみなさまに中止を伝えた時の落胆の表情が忘れられず、この日も朝7時に、当日お手伝いくださるPTAのみなさまや並んでおられた保護者のみなさまに開催をお伝えするとみな大喜び。会場準備が押して開始が遅れましたが、華麗な衣装に身を包み、晴れやかな表情で生徒が入場。体育委員長の開会の辞でスタートいたしました。圧巻の総団長全員の選手宣誓のことばの熱が、この行事にかけた思いの強さそのものでした。
午前、マスゲームからスタート。事前に体育祭運営委員会の記録部門の生徒のみなさんから審査員を仰せつかりましたが、どの団も個性際立つものの甲乙はつけがたく、いい意味でとても困りました。応援団、マスコットアピールも同じことが言え、ブログを書いていて、この日のできごと、この日の生徒のみなさんの姿ににことばが追い付かない、ということしかありません。以前にPTAの役員の方から「校長先生、茨高の体育祭、初めてですよね。めっちゃ楽しんでくださいね!」と言っていただいたのですが、楽しんだというよりも、圧倒されました、と告白しておきます。

(昼の生徒のみなさんの様子)
午前の部が終わり、午後の競技に入ると、緊張感よりも安堵感に包まれているのが伝わるなかで競技が進み、小雨が降る中でしたが、これも総団長と担当の先生とで相談され、予定通り閉会式。瀨戸教頭先生の思いのこもる講評に、あとで聞くと涙ぐむ生徒もいたとのこと。思いが通じた、としか言いようのない、今年度の体育祭が終わりました。
恒例の後夜祭まで見届けようと待機していたのですが、担当の先生が「生徒たちが『天候と生徒全体の状況を考えると後夜祭はなしにする。団集会は時間いっぱいさせてほしい。』と言ってます。」と伝えてくれました。翌日以降の生徒のみなさんの状況を思うと、立派な判断を生徒たち自身がしたことに感銘を覚えます。




その日の夕刻、そぼ降る雨の中、マスコットに別れを惜しむ幾人もの生徒の姿がありました。これから困難があっても、この行事の思い出で乗り越えられる人がたくさんいると思える、すてきな一日でした。応援し、見守ってくださった保護者のみなさま、久敬会のみなさま、運営に尽力した2年生、1年生のみなさん、そして、持てるものを出し尽くした3年生のみなさん、すてきな一日を本当にありがとうございました。
以下、開会式のあいさつと閉会式の講評を載せさせていただきます。
【開会式あいさつ】
おはようございます。いい天気です。
まず、あいさつの冒頭ではございますが、近隣のみなさまには、予行の日と合わせて、今日一日大きな音を出させていただきます。なにとぞご理解のほど申しあげます。また、保護者の皆さま、今日は朝早くから来校いただき、ありがとうございます。どうぞ一日、生徒たちの笑顔、そして演技や競技をお楽しみください。
さて、生徒のみなさん、とりわけ3年生のみなさん。この何か月、遠くからみなさんの姿を見ておりました。あらためてこの何か月、なんでこんなに体育祭に向けてがんばってきたんでしょう?
自分でやるって選んだ、という人がいたでしょう。みなに選ばれた、という人もいたでしょう。で、みんな懸命にやってきて、もしかするとぶつかって、へこんで、悩んで、みたいなこともあったかもしれません。それでもやり抜いて、今ふりかえって、うーん、私、今からこれをやるためにここにいてる。何かに導かれたみたいな気さえする。でも私に本当にできるんやろうか。そんな、選ばれてあることの恍惚と不安、のようなものに包まれている人もいるかもしれません。
でも、この何か月、遠くからみなさんの姿を見ていた、と言いました。踊る人も、作る人も、話し合う人も見ましたが、ひとりでやっている人を最後まで私は見ませんでした。
いよいよ今日を迎えました。やり抜いたみなさんだからこそ見える風景、受け取る感情がみなさんを待っています。数時間ののち、恍惚と不安が、仲間との歓喜と感謝に変わる、その瞬間に立ち会わせてもらえる、と私は勝手に想像して、感謝とともに少し震えています。
みなさんが、力行止むことなく、本務を尽くされ、よき日とされることを心から願い、あいさつといたします。
Have a nice day!
【閉会式講評】
講評ではなく、今日1日とても幸せな気持ちになれたことへの感謝を述べようと思います。
「絶対晴れるから・・・」9月8日、雨天により体育祭が順延になった日の午後、総団長から全校生徒に向けて伝えられた言葉です。長い準備時間の中で、時に笑い、時に苦しみ、必死の思いで体育祭の準備をしてきた気持ちが伝わるようでした。全校生徒に伝えてくれた「その願い」は、確かに叶いました。総団長の○○さん、思いを届けてくれてありがとう。あの放送、とても嬉しかったです。
夏休み明けから天候に恵まれ、準備が順調に進みました。ところが、残すところあと1週間で体育祭本番となった先週から、雨が降り続きました。「なぜ直前にこれほど雨が降り続くのか?」きっと皆さんもそう思ったのではないでしょうか?とくに3年生は5月から今日にいたるまで綿密な練習計画を立てていたのにも関わらず練習計画の変更を迫られ、本当に完成させることができるのかと不安な気持ちになったと思います。不安、悔しさ、無力感などで眠ることができなかった人もいるかもしれません。
いよいよ結果発表の時を迎えます。いま、みなさんは期待と不安の気持ちでいっぱいだと思います。しかし言い換えればそれは、今までの時間を懸命に過ごしたきた何よりの証拠だと思います。楽しかったこと、嬉しかったこと、悔しかったこと、苦しかったこと・・・。それらをみんなで分かち合い、お互いを埋め合って、ともに歩んできた今までの日々は、これからのみなさんの人生にとって貴重な宝物です。
塩山校長先生はよく、「誰かのために一生懸命になることができる、みなさんのことが大好きだ」とお話しされます。前校長の高江洲校長先生もそうでした。誰かのために一生懸命になることができた日々を共に過ごしてきた仲間がいること、そしてその日々を歩んでくることができた自分を誇りに思ってほしい。それが表彰という、成績というものだけではない大きなものを得られる茨高体育祭の本質的な意義だと思うのです。
総長はじめ、様々な場面でリーダーシップを発揮した3年生のみなさん、お疲れさまでした。そして、
・体調不良になった下級生を職員室まで連れてきて、やさしい声をかけてくれた人
・教室に忘れられた貴重品の入ったカバンが心配だから、「職員室で預かってください」と言ってくれた人
・9月8日も、そして今日も朝早くから登校して必死になってグラウンド整備をしてくれた人
ありがとう。
そのほか、いろんな人と話をし、誰も気が付かなかった仕事を実は黙々とやってくれた人、そして運営に協力してくれた 1・2 年生のみなさん。ありがとう。体育祭の成功はみなさんの力なしでは成しえなかったことです。
演技前の緊張した顔、演技中のたくさんの笑顔、演技後のほっと安心した顔・お互いを称えあう姿、そのどれもがとても尊いものでした。とても幸せな気持ちになりました。ありがとうございました。これを私の講評とさせてください