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本校では、小学部、中学部、高等部とは独立した専任部として、自立活動指導部が設けられている。
自立活動指導部では、「専任部による抽出指導」、「自立活動相談」及び「自立活動サポート相談」の3つの教育活動を行っている(表1)。
| 名称 | 内容 |
| 抽出指導 (自立活動の時間における指導) |
学級集団の中だけでは指導の効果が上がりにくい児童生徒について、抽出して「自立活動の時間における指導」を行う(週1~4h) |
| 自立活動相談 | 抽出対象以外の児童生徒についての相談活動(実態把握・指導方法等) |
| 自立活動サポート相談 | 各学部が行う「時間における指導」に入り込んで行う相談活動 |
専任部が担当する「自立活動の時間における指導」の対象ではない児童生徒について、担任及び保護者からの要望に基づいた相談活動を行っている。
各学部が担当する「自立活動の時間における指導」の授業に入り込み、実態把握、目標設定、指導内容・方法等について連携して考えたり、抽出指導で取り組んでいる内容の連携や般化を図ったりする等、各学部へのサポートを行っている。
《自立活動の主な区分》...◎身体の動き 〇環境の把握 〇コミュニケーション
姿勢の歪みや偏りがみられ、日常生活動作にぎこちなさや不安定さがある児童生徒。
(例)背中を丸くした姿勢になっている、左右差があり側わん傾向がみられる、学習及び作業時の姿勢が悪い、段差でつまずくことが多い、歩き方や走り方がぎこちない等、姿勢や動作面に課題のある児童生徒。
日常生活動作を円滑に行うための基礎(核)となる、坐位・膝立ち・立位姿勢での姿勢保持や調整力を高めていくこと、及びそのためのリラクセーションができることを中心に考えていく。指導を進める際には、動作課題を通した他者との関係性(やりとり関係)を築いていくことを重視しながら、児童生徒自身が、自分のからだの動きをコントロールできる範囲を拡げていくという視点を持つようにする。
◇姿勢写真の撮影(坐位及び立位)
◇重心の左右差測定
◇足裏バランス測定
◇基本的な身体の動きの学習を通して、動作の制御能力を高める。
◇正しい姿勢を身につける。(身体図式の形成)
◇心身のリラックスを図る。
◇動作課題を通して、他者とのやりとり関係を築く。
(1)リラクセーション課題...援助に合わせて能動的に力を抜いていき、心身がリラックスできるようになることをめざす課題
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| 躯幹ひねり | 上体そらし | 股・腰の弛め | 肩のリラクセーション |
(2)動きのコントロール課題...援助に合わせてからだを動かしていく中で、より安定した動きができるようになることをめざす課題
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| 腕上げ動作コントロール | 坐位での支柱づくり |
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| 膝立ちでの落とし腰 からの立ち上がり |
膝立ちでの左右重心移動 | 片膝立ちでの前後重心移動 |
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| 立位での膝のまげ伸ばし | 立位での左右重心移動 | 立位での前後重心移動 |
《自立活動の主な区分》...◎コミュニケーション 〇心理的な安定
一定の理解言語を持ち、発話意欲も旺盛であるが、発声・発語が不明瞭な児童生徒。
(例)単音で発音が母音化する、連語では語頭音の省略や置換がみられる、発声準備動作かが学習できていない、音を聞いてフィードバックすることが不十分、言語概念に課題がある、心理的な緊張が 強く吃音がみられる等の原因により、発音が不明瞭で聞き取りにくい状態にある児童生徒。
『発音の明瞭度を上げる』ということだけに焦点を当てるのではなく、その基礎となる能力の向上を図っていくことを大切にする。『言語能力全体を高めていくことを通して、発声・発語能力の向上を促す』という視点をもつ。
◇ITPA言語学習能力診断検査(日本文化科学社)
◇ワトソン言語発達検査(佐野支援学校版)
◇構音検査(日本聴能言語士協会)
◇発声準備動作(下顎、口唇、舌の動き等)を意図的にコントロールする力をつける。
◇聞く力を高め、正しく音声を聞き分ける。
◇発音の誤りに気づき、自己修正できるようにする。
◇リラックスした発声を身につける(吃音 軽減・改善)。
◇アクセント、リズム、音 強弱等、発話を調整できるようにする。
◇会話スキル 型を身につける(会話バリエーションの拡大)。
(1)基本準備動作指導...心身をリラックスさせること、模倣能力や聴覚弁別能力を高めることにより、基本的な発声準備状態をつくる。
*リラクセーション...直姿勢づくり、口周辺のリラクセーション、肩の緊張-弛緩コントロール
*動作模倣...即時模倣、延滞模倣
*聞き分け...楽器の音当て、音を聞いて動作する、単音の聞き分け
(2)発声準備動作指導...呼吸動作のコントロールや口腔内動作を学習し、発声のための準備動作を身につける。
*呼吸動作...吹く(紙風船・シャボン玉・巻き笛等)、吸う(ハミングフルート等)
*腔内動作...口の開閉、舌の出し入れ、頬を膨らませる等
(3)発声・発語指導...母音や単語の発音を練習をすることにより、正しい発音を身につける。
*発声動作...音声模倣(音の長短・強弱をつけながら発声する)、母音・子音の発声
*発語学習...絵カードを見て発語する(音声+手打ち動作)、音声模倣(有意味・無意味語) 。
*2枚の絵カードを見て発語する(「~と~」)、発話調整(リズム、速さを意識した発語)。
*会話スキル学習...絵やビデオを見て二語文で話す(「~か~をする」「~を~する」等)。
*絵カードを話順に並べ替え、順序立てて話す。
《自立活動の主な区分》...◎コミュニケーション 〇心理的な安定 〇環境の把握
◇ワトソン言語発達検査
◇コミュニケーションモード選定検査...下記の方法により個々の児童生徒にとって理解・表出しやすいコミュニケーション手段を決める(図1)。
◇コミュニケーションサンプル(コミュニケーション手段と機能の評価)
◇好みの物の選定(玩具等、複数の具体物を提示して興味の程度を観察・選定)
図1 <コミュニケーションモード選定検査の方法>
◇理解...「?はどれ?」の質問に答える(具体物を選択する)。
◇表出...提示された具体物を見て「これは何?」の質問に答える(音声で答える)。
※「音声言語」「音声+絵カード」「音声+身振り」について、どの手段が最も早く正答率(80%以上)が高くなるか比較し、適切なコミュニケーション手段を決める。
◇図1のような結果が出た場合、理解面では、「音声+絵カード」を用いた手段が最も有効で、将来的には「音声+身振り」も併用でき、音声のみで理解することは難しいことが示されている。また、表出面では、「音声+絵カード」を用いた手段が最も有効であることが示されている。
◇からだの動きや物を通したやりとり課題を通して、他者とのやりとり関係を築く。
◇日常的によく用いる身振りサインや絵カードを理解する。
◇身振りサインや絵・写真カードを手がかりに、指示に応じることができる。
◇要求を伝える手段として、身振りサインや絵・写真カードを活用できる。
◇意思を表出するために必要な身振りサインや絵カードを理解し、表出手段として使うことができる。
◇場面・状況に応じて、コミュニケーション手段(身振りサイン・絵カード等) の使い分けができる。
◇会話スキルの型を身につける(バリエーションの拡大)。
◇身振りサインや絵カードを利用したシステムを活用し、社会的スキル(買い物/コーヒーや紅茶を入れる/料理/自動販売機でジュースを購入する等)を身につける。

◇からだを通したやりとり課題
◇物を通したやりとり課題教材・教具ライブラリー「AAC指導」(1) 「AAC指導」(2)
《自立活動の主な区分》...◎心理的な安定 〇人間関係の形成 〇コミュニケーション
情緒面・行動で課題がみられ、集団活動へスムーズに参加することが難しい児童生徒。
(例)パニックがある、こだわり行動があり周りの動きに合わせにくい、自傷・他傷行為が頻繁にみられる、課題に集中して取り組むことが難しい等の状況があり、集団で生活や学習に参加していくための基礎的な力をつけることが必要と考えられる児童生徒。
子どもの行動だけに焦点を当てるのではなく、その行動が生じる要因を探り、周囲の環境(人や物)を調整することも含めて、問題となる行動を捉えるようにする。その上で、一人ひとりの児童生徒が自己コントロール力の向上を図り、場面や状況に応じた行動ができるようになることをめざす。
◇ワトソン言語発達検査
◇MAS(問題となる行動の機能分析評定尺度)
◇行動観察の記録(問題となる行動の事前・事後の状況を含めて分析する)
◇フロスティッグ視知覚発達検査(日本文化科学社)
◇WAVES(「見る力」を育てるビジョンアセスメント:学研)
◇他者からの働きかけをスムーズに受け入れ、援助に合わせて行動することができる。
◇心身のリラックスを図り、自分のからだをコントロールする力を高める。
◇場面や状況やその変化を的確に理解し、場面に応じた行動をとることができる。
◇できないことや困ったことがあるとき、他者にヘルプを出すことができる。
《自立活動の主な区分》...◎コミュニケーション 〇人間関係の形成 〇環境の把握
人やものに対して主体的な働きかけが乏しい、または限定されている児童生徒。
(例)具体物によるコミュニケーションが中心で、援助がなくても主体的にできる行動が限られており、人や物に対して興味・関心の幅を拡げていくことが課題である児童生徒。
人とのやりとりのバリエーションを拡げていくこと、やりとりの楽しさや充実感を得ることができることをめざしていく。その中で、周囲の環境(人や物)を的確に理解し、自分からも主体的に働きかけようとする意欲や態度を高めていくことを大切にしていく。
◇ワトソン言語発達検査
◇コミュニケーションサンプル(コミュニケーション手段と機能の評価)
◇好みの物の選定(目の前に物を提示しどのように子どもが扱うかについて観察を行う)
◇他者と遊びや課題を共有することの楽しさを実感する。
◇学習の構えをつくる(姿勢及び気持ちの両面から)。
◇他者に要求を伝えるための手段を獲得する。
◇援助がなくてもできる行動を増やし、活動への意欲と自信をつける。