人権研修「命をいただき、いのちは生きる」

9月24日(金)、教職員とPTAを対象とした人権研修を行いました。

講師には、貝塚市人権協会会長の北出 昭様をお招きし、「命をいただき、いのちは生きる」をテーマにご講演いただきました。

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研修の冒頭では、北出様が主人公の一人として出演されたドキュメンタリー映画『ある精肉店のはなし』を鑑賞させていただきました。

大阪府貝塚市で7代にわたり、家族で牛の飼育から屠畜(とちく)(解体)、販売にいたるまで、すべてを手作業で行ってきた「北出精肉店」の人々が、自分たちの仕事に誇りを持ち、牛の命と全身全霊で向き合う姿や、被差別部落出身ゆえに受けてきた差別や偏見から目をそらさずに、まっすぐに向き合う姿が映されていました。

屠畜(牛の命を分けていただくから「割る」、殺すとは言わない)のシーンは衝撃的でしたが、「人は動物の命に支えられて生きていること」や「被差別部落で受け継がれてきた仕事が日本の文化を支えてきたこと」について改めて考えさせられました。

講演では、「江戸末期から102年間続いた屠畜作業」、「映画撮影に至るまでのエピソード」、「子どもの頃に受けた差別」、令和の時代になっても今なお消えない「部落差別の歴史や現状」など、幅広くお話いただきました。

部落差別に限らず、人権問題全般についても同様、「差別やいじめは、最後は人の命だって奪ってしまう。人は幸せに生きる権利がある。」と、「生」の本質を見続けてこられた北出様のその言葉はとても力強く、食肉の仕事を通じて人権を考える大変貴重な機会となりました。ありがとうございました。

最後は、「だんじりばやし」の演奏を披露してくださいました。分厚い牛の皮をていねいになめし、張って作られた太鼓の音色は、まさに牛と私たち人をつなぐ「生きた鼓動」でした。

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また、12月には、3年生対象の人権学習(部落問題)を行い、北出様にご講演していただきます。身近な問題である部落差別についての理解を深め、人権意識を高めることができればと思います。