12月24日(水)本校体育館にて、2学期終業式を行いました。

私からは、以下のお話をいたしました。

いよいよ2学期最後の日を迎えました。2学期は文化祭や、2年生のみなさんは修学旅行など、みなさんの一生の思い出になる行事がありました。みなさんの頑張りと成長に、私からも心から拍手を送りたいと思います。

今日は、みなさんに「手紙」というテーマでお話をしようと思います。同じ「手紙」というタイトルですが、まったく異なる2つの作品を紹介し、みなさんに考えてほしいことを伝えたいと思います。

1つめは、校長通信の「私の本棚」コーナー最多登場の東野圭吾さんの小説「手紙」です。話が少しそれますが、東野圭吾さんは大阪市のご出身で、すぐ近くの府立阪南高校を卒業したあと、今は大阪公立大学に名称変更されていますが、当時の大阪府立大学の工学部に進まれました。こう聞くと、すごく身近な存在に感じられて、親近感がわいてきますよね。小説は読みたいけど、何から読んだらよくわからないという人は東野作品から始めてみるのもいいと思います。まず、第一に読みやすいですし、どのお話を読んでもきちんと伏線回収されていくのは、読んでいてほんとに爽快です。

本題に戻ります。東野圭吾さんの「手紙」という小説、読んだことがある人、映画を見たことがある人もいるかもしれませんが、簡単にあらすじを紹介しますね。これは、ある兄弟のお話で、お兄さんが罪を犯し刑務所に入ってしまい、残された弟に手紙を送り続けるという物語です。手紙にはお兄さんの深い愛情がこもっていますが、その一方で、弟は「犯罪者の弟」という重い現実と向き合わなければなりません。お兄さんから届く手紙は愛の証であると同時に、弟を縛り付けるものにもなってしまいます。つまり、言葉は時に人を支える一方で、重荷になることもあるということです。

2つめは、アンジェラ・アキさんの歌「手紙~拝啓十五の君へ」です。これは、NHK全国学校音楽コンクール中学校の部の課題曲として書き下ろされた歌です。もしかしたら、みなさんの中にも、中学校の合唱コンクールで歌ったという人がいるかもしれません。また、最近、ある保険会社のCMでも流れていた歌です。

この歌は、未来の自分へ宛てた手紙という形でつづられています。歌の中では、未来の自分に向けて、こんなふうに語りかけています。

負けそうで 泣きそうで 消えてしまいそうなときは

自分の声を信じ歩けばいいの

このメッセージは、迷いや不安を抱える自分自身に寄り添い、未来へ進む勇気を与えてくれます。

同じ「手紙」でも、一方は人を縛るものであり、もう一方は、人を救い、励ますものです。言葉にはそれほど大きな力があるということが、改めて実感できると思います。誰かにかけるその一言が、その人を勇気づけることもあれば、逆に深く傷つけてしまうこともあります。だからこそ、みなさんには言葉を大切にしてほしいと願っています。

2学期の学校生活を振り返ってみると、勉強や部活動だけでなく、友だちとの関わりの中で、支え合ったり励まし合ったりする場面がたくさんあったと思います。ときには意見がぶつかって悩むこともあったかもしれません。でも、そうした経験の一つひとつが、みなさんを成長させ、相手を思いやる心を育ててくれるはずです。

新しい年を迎えるにあたって、みなさんに伝えたいことは、「言葉を選ぶ力を大切にしてほしい」ということです。相手を思いやる一言は、時に大きな励ましとなり、未来への希望になります。そしてその言葉は、自分自身の心も強くしてくれます。

3学期、そして新しい学年へ向けて、ぜひ「誰かを支える言葉」を選んでください。みなさん一人ひとりの言葉には、大きな力があります。どうかその力を、自分と仲間の未来を明るくするために使ってください。みなさんのこれからの日々が、温かいつながりと前向きな言葉にあふれることを願っています。